台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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近くの古着収集ボックスより。「収集一時停止」の張り紙が。

近くの古着収集ボックスより。「収集一時停止」の張り紙が。

 人口が多い台北市と新北市を中心に、台湾の感染拡大が止まらなくなってきています。

 台北市のホームページによると5月9~22日の間で1343人、新北市のホームページによると、4月26日~5月24日の間で1771人の感染確認者が出ています。


【参考】
https://www.gov.taipei/covid19/News_Content.aspx?n=EF0C2781DEC9D6E7&sms=78D644F2755ACCAA&s=2E60E287949227AF

https://www.health.ntpc.gov.tw/basic/?node=204739


銀行にあった張り紙

銀行にあった張り紙

 台北市と新北市が15日に警戒レベルが上から2番目の第三級になったのは前回紹介しましたが、19日には全台湾で第三級になり、全台湾の学校も28日まで休校になりました。しかし、25日になり第三級が端午節の連休の最終日の6月14日まで延長となり、各学校が6月に控える卒業式も中止かオンラインで実施するよう通達を出すまでになりました。

 第三級になったことで、生活は大きく変わりました。

 すでに報道でご存知の方も多いと思いますが、街は週末でも人が少なくなり、自発的な軽いロックダウンを行っているような状態になりました。

 昨年から徹底されていたマスクの着用も、屋外でも着用が徹底され、高雄市では住民の要望に応じ、ゴミ収集時にマスクを着用していない場合は収集拒否できるようになりました。


 私の周りでの変化を上げると、台北市と新北市が5月24日以降の飲食店における店内での飲食禁止を発表しましたが、近所のお店は、第三級になってからは自発的に店内での飲食禁止をしており、お持ち帰りのみの対応になっていました。


スマホ以外の登録方法(蘇貞昌行政院長のツイッターより)

スマホ以外の登録方法(蘇貞昌行政院長のツイッターより)

 1枚目の写真は、自宅周辺にある古着の回収ボックスのフタですが、フタには回収不可の文字が書かれ、テープで封がされていました。いつもフタが閉まらないくらい衣類が詰め込まれているのですが、この時はボックス周辺に置かれていました。翌日になると、ゴミとして回収されたようで、なくなっていました。

 2枚目は最近行った銀行で見た張り紙。

 銀行は2階建てで、2階が入金などの窓口があるところですが、銀行が自主的に室内の人数制限を設けているため、整理券を受け取ってから外で待ち、人が少なくなってから1階の室内へ案内されてから待機し、その後2階へと上がっていける方式を採用していました。

 他の銀行へ行った時もそうでしたが、窓口の銀行員は医師が使用するような使い捨てのゴム手袋とゴーグルをつけていました。


バスに貼られていたQRコード

バスに貼られていたQRコード

 バスに乗車した際、病院でいつもかいでいるあの匂いが漂っていましたが、その一方で見逃してはいけないQRコードが貼られていました。これが日本でも名前が知られている唐鳳(オードリー・タン)政務委員が開発に携わり、3日で完成したと言われる行動追跡の新システムのもの。これが導入されてから、唐鳳政務委員が会見で述べていた通り、5秒で情報登録が終わるので、各店舗で登録システムを作成する必要がなくなり、各店舗オリジナルのQRコードがなくなっていました。

 使い方は3種類。

 一つはLINEのQRコードをスキャンし、そこから登録する方法。
 もう一つは、上の写真にあるようなQRコードをスキャンし、メッセージアプリに自動的に入力される15ケタの登録番号を衛生福利部疾病管制署の感染症対策専用ダイヤルに送信する方法。


4枚目の写真をスキャンすると出てくる画像

4枚目の写真をスキャンすると出てくる画像

 上の写真は4枚目の写真のQRコードをスキャンした後に出てきた画像です。スキャン後、一番上の「メッセージを送信」をタップし、登録番号が入ったメッセージを送信すれば完了です。

 最後は、スマートフォンを持っていない人はどうやって登録を行うか。

 3枚目のスクリーンショットがその方法。まず、ショートメッセージ送信機能で受取人番号の1922を入力し、そこにQRコードの下にある15ケタの登録番号をメッセージとして入力し、送信します。

 この間本当に5秒。手動で登録番号を打ち込むと5秒以上かかる時がありますが、個々の店舗ごとに登録方法が設けられていたときとは違い、手間が大きく省かれたのは大きな変化でした。
 それに伴い、店舗ごとに常設されている手書きの登録用紙は、書き込まれる数も日に日に減っていきました。

 店舗側も管理の負担が軽くなり、登録する側も時間の節約ができ、政府も感染症対策で濃厚接触者(これを見つける数が多ければ多いほど感染抑止につながる)の追跡に生かせると三者が喜ぶシステムをうまく考えたなぁ…と思いました。


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