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台湾の年越しドキュメント2022 総統府で迎えた久しぶりの新年の朝
2022.01.22 up
総統府前の国旗掲揚式典の様子
大晦日の夜を淡江大橋の花火で迎え、一旦帰宅し、仮眠をとってから久しぶりに総統府の国旗掲揚式典に行きました。
式典は5時開始で、最初は高校生のマーチングバンド、カラーガードら、儀仗隊の演技で迎え、その後は台湾語のバンド、救急医療に携わる医師たちのバンドによるライブが行われました。
個人的に印象に残っているのは、上の写真の医療従事者たちの組合の長による歌の披露。この時だけ、町内会のカラオケの雰囲気に変わり、ほのぼのとした空気が漂いました。
毎年恒例のもの
その後、三軍の儀仗隊、ブラスバンドによるファンシードリルになり、厳しく統制の取れた演技に場の空気も徐々に引き締まり、日の出に合わせた国旗掲揚に向けて雰囲気を高めていきました。
国旗掲揚直前には、蔡英文総統らが登場し、国歌斉唱は衛生福利部の陳時中部長(注:陳部長は歯科医です)をはじめとする医師たちが白衣姿で登壇して披露しました。今年は、過去2年医療の前線で日々奮闘している医師たちに敬意を表す意味も含んだものとなりました。
昨年は中止になりましたが、今年は行動記録、検温と手の消毒と荷物検査と二段階の入場方式を採用し、どうにか開催の運びとなりました。久しぶりに国旗が上がると同時に空が明るくなる光景を見ることができ、晴れやかな気持ちになりました。国旗掲揚後、すぐに台北市内の中学の弦楽部による演奏があり、朝の爽やかな空気に華を添えました。
総統府のマスク
1月1日は総統府の開放日となり、9時から見学可能になりますが、今年はあっと驚くサプライズがありました。
入場時のやたら厳しい検査を終えてから、総統府の正門から入る際、係の人から2列に整列して並ぶよう、荷物は左側に持ち、右側を必ず空けるよう言われました。今まで入口は開けたままになっていて、舞台の片付けの様子も見ることができたのですが、今回は閉めたまま。両側を衛兵が警備していました。
最初、総統府のLINEの案内があり、「登録した人には記念品を差し上げます」ということだったので、それを証明するために右側を開け、スマホの画面を出すように言っているのだと思っていました。右手でスマホを持ち、画面を係りの人たちに見せていたら、「右手を空けて!」と注意されました。
右手を空け、前を向くと、吹き抜けになっている中山廳の奥の階段前で頼清徳副総統が笑顔で手を振り、その少し手前で蔡英文総統が「新年快樂(あけましてめでとうございます)!」と言いながら笑顔で上の写真のマスクを来場者に配っていました。まさか総統府の主たちが揃って、笑顔であいさつをしているとは思っておらず、呆気に取られました。
その後は、ベルトコンベアに乗っかったかのように流れに乗って蔡英文総統からマスクを受け取り、頼清徳副総統の笑顔につられて手を振っていましたが、係の人から「はい、早く動いて! 動いて!」の無情の一言で現実に戻り、その場をすぐ後にしました。
中山廳を抜けて、次に向かうのはいつもなら階段を上った右側の2016年の総統・副総統就任式で使用した經國聽ですが、今回は左側の2020年の総統・副総統就任式で使用した大禮堂に移動しました。来場者を迎える前に、蔡英文総統が年頭の談話を行ったところでもあるのですが、使用したものはすでに片付けられていて、經國聽と同じようなたたずまいを見せていました。
毎月1回の開放日は、今では農産物の販売会も実施
大禮堂を見学してからは、これまで同様、1階の展示室へ移動しました。1階の展示は以前紹介したものと基本的には変わらず。変わっていたのはフォトコンテストの作品が、台湾の多様性を示す言語のアートや野生動物の紹介の展示に変わっていました。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2020726235623
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2020728088
2020年の開放日から実施されるようになったのが、台湾各地の農産物の販売。生産者自ら総統府の1階通路でPRと販売を行い、来場者に知ってもらう機会でもあります。その中には、上の写真の茶葉の生産者のように昨年11月の茶葉の展覧会に出展していた方もいて、その時の話をして盛り上がったりもしました。
N2は日本語能力検定の上から2番目に難しいレベルです
総統府の見学を終えてからは、その向かいにある國史館へ行き、展示を見てきましたが、選挙関連の展示は改装中で見ることができず、2階へ上がり故李登輝元総統の展示を中心に見てきました。
その中で上の写真のメッセージカードを見つけました。
これは筆者の方だけでなく、多くの方の願いではないでしょうか。
他にも、新型コロナウイルスの感染拡大の収束を願うものも多くあり、見ていてため息が出てしまいました。
みなさんはどのような新年を迎えられましたか?
いいものであることを、ただただ祈ります。
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