５月１４～２２日にフランス・ノルマンディーで開催されているISF（International School Sports Federation、『国際中高スポーツ連盟〈筆者訳〉』）が主催するジムネシアード（Gymnesiade）。開催される競技はパラ競技２種目を含む全２０種目、１３～１７歳の中学在校生が対象の総合スポーツ大会で、２０１８年から２年に１回開催されています。日本はISFに加入していないため、この大会に参加していませんが、チャイニーズタイペイは２０００年代（確認できた範囲では２００９年に参加経歴あり）から今年に至るまで参加を続けています。

　フランス渡航直前の５月１２日午後、結団式が行われました。

　結団式の会場は、本来なら屋内の広い会場で行いたいところですが、新型コロナウイルスの感染が広がった現状では２００人以上の規模が大きい催しは、可能な限り密閉された空間は避けたい、ということで、用意されたのは教育部體育署の入口前広場に設けられた特設会場でした。

　会場は開始３０分前から雨が降り出し、一時、雨音がしっかり響くくらいの強い雨が降りました。それでも熱中症になりかねないような晴天の中で行われるよりはいいか、と思いながら開始を待ちました。

　最初は、教育部體育署の林騰蛟署長のあいさつ、特製悠遊カードの贈呈式、医療従事者の表彰式などが行われました。

　医療従事者は、結団式前に行われた新型コロナウイルスの検査を担当し、感染対策の指導を行った方々です。

　選手団は結団式開催前の午前に集合し、会場とは別に設けられた検査場で、家庭用の抗原検査キットで検査を行いました。その結果、派遣予定の選手、関係者１０人が陽性（内５人が後で実施されたPCR検査で陽性と確認、他の５人は不明）でした。この中には、３x３男子バスケットボールの選手2名が含まれ、チーム全体での参加を見送ることを余儀なくされました。

　これが結団式全体の明るい雰囲気づくりの一方で、暗い影を落としました。

　新型コロナウイルスの感染が収まっていない現状を反映してか、荷物用に用意したスーツケースの他、感染対策用のマスク、消毒液などの衛生キット、栄養補給用など慣れ親しんでいる食べ物、携帯用魔法瓶、食器などを詰め合わせたお食事セットなどが選手団に贈られました。

　この辺りは、世相を大きく反映しているように見えました。

　その後、派遣する各競技の選手団の紹介が行われ、前方に着席する来賓と後方にいる報道陣に向けて手を振る姿が見られました。

　

　その後は国旗、団旗の授与式が行われ、選手団を引率する高級中學體育總會の胡劍峯会長（上の写真で旗を持つ左側の男性）と朱彩鳳秘書長（上の写真で旗を持つ右側の女性）に林騰蛟署長から旗が渡されました。


　結団式終了後は、事前に報道陣が要請した選手と指導者の会見が実施されましたが、これも感染対策で、終了後に記者らが個別に尋ね、感染を広げるような格好になるのを避けるために行われた措置でした。

　一番質問が集中したのは３×３女子バスケットボール代表の時。高校バスケHBLの優勝チーム・新北市立淡水高級商工職業學校の選手から選ばれた４人だったこともあり、記者から積極的な質問が出ていました。選手たちも、５人制と３人制の違いや適応に関することを中心に話していました。

　結団式終了後、選手団は１２日夜の飛行機でフランス・ノルマンディーに移動しました。飛行機はチャーターではないものの、選手団２０８人が固まるような座席設定を航空会社に要請し、感染対策に配慮したということでした。


　選手を派遣するだけで、様々なことに対応しないといけない今の状況を目の当たりにした今回の結団式でした。

【参考】

https://events.isfsports.org/isf-gymnasiade-2022/

https://youtu.be/Y5Mz-zZPCow

https://www.dev.isfsports.org

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