台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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台湾の非接触型交通カード「悠遊カード」

台湾の非接触型交通カード「悠遊カード」

 日本で有名な非接触型交通カードといえば、JR東日本が発行しているS u i c a 思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。北海道ならJR北海道が発行しているKitaka、札幌総合情報センターが発行しているSAPICAでしょうか。

 台湾も複数ありますが、その中でも突出しているのが悠遊カード。悠遊カードは発行枚数9254万枚(2022年1月現在)と全人口の三倍を超えで、他の交通カードを大きく引き離ている(参考:iPASSカードは2018年10月時点で1800万枚越え)ほどです。

 その悠遊カードですが、7月に政府の金融監督管理委員會の許可が下り、早ければ年内にも沖縄県内で使用できるようになりそうだ、というニュースが入ってきました。

【参考】

https://www.easycard.com.tw/new?cls=1&id=1657503664

https://www.traicy.com/posts/20220811247126/


悠遊カードの未来形展示

悠遊カードの未来形展示

 さらに検索してみると、2020年2月に琉球銀行と提携していて、同年7月から琉球銀行と加盟店業務を開始することが発表されていました。

【参考】

https://www.ryugin.co.jp/corporate/news/33515/

https://www.facebook.com/ryugin.jp/posts/1512537335569987

 ところが新型コロナウイルスの感染拡大の影響で双方の出入国に影響が出ていることなどから、今年1月に延期されていました。

【参考】

https://www.ryugin.co.jp/corporate/news/42932/

 それも更に延期になり、7月に入ってから「年内に…」という流れになったようです。沖縄県の統計によると、2018年の外国人旅行者は290.38万人で台湾人は88.97万人だそうで、沖縄旅行の人気の高さがうかがえます。現在は、感染対策で沖縄と台湾の往来が容易ではない状況ですが、旅行が本格的に開放された場合、昨今の円安も相まって悠遊カードでの消費が期待される状況が生まれるのではないでしょうか。

 そんな悠遊カードですが、今年で20周年を迎えました。20周年を記念して、8月13~28日にMRT大安森林公園駅で特別展示を行っていました。展示は環境保護の側面から見た悠遊カードの存在と20年の足取りがわかるようなものになっていました。

 


ヤクルトのボトル型悠遊カード、350元(約1600円)

ヤクルトのボトル型悠遊カード、350元(約1600円)

 中でも印象に残っているのは2枚目の写真。

 悠悠カードの未来形を示したものであると同時に、スカーフ、Yシャツの袖口、キャップに悠遊カードのI C チップを埋め込んで使えるようにしようと、現在開発を目指しているものです。

 そうすると、「洗濯した時に、ICチップが痛むんじゃない?」と思うのですが、その辺りを聞いてみたら「開発中」ということでした。

 他にも、再生可能な産業廃棄物を使って、キーホルダーやアクセサリーを作り、そこにI C チップを埋め込んで再利用を進めようというものもあり、こちらは大学と提携して、産学協同で開発を目指しているようです。


プレイステーション4(P S 4)のコントローラーー型悠遊カード、390元(約1825円)

プレイステーション4(P S 4)のコントローラーー型悠遊カード、390元(約1825円)

 悠遊カードに限ったことではなく、他の非接触型ICカードにも当てはまることですが、遊び心を惜しげもなく出すところが最大の魅力。沖縄進出を機に、日本でも発売されるのを期待したい悠遊カードを紹介します。

 3枚目のヤクルト(養樂多)のボトル型のは、昨年8月に発売されたものです。

 ヤクルトは、台湾でも親しまれていて、ドリンクショップではお茶やフレッシュジュースに足して販売されることもあります。私自身の経験では、お弁当に付けられている飲み物がヤクルト、ということも過去にあり、思い入れがある飲み物です。


「美少女戦士セーラームーン」の「ムーンスティック」型悠遊カード、1799元(約8228円)

「美少女戦士セーラームーン」の「ムーンスティック」型悠遊カード、1799元(約8228円)

 4枚目はPS4のコントローラー型は2020年6月8日にコンビニで購入予約を受け付けた際、1時間で10万件前後の予約が入ったほどの人気商品になりました。

 最大の特徴は、コントローラーの前の部分が本物の充電時のように光ること。駅の自販機でチャージする際、蛍のお尻のように点滅しますが、それがまた人気を呼んだようです。

 5枚目は1月に発売された「美少女戦士セーラームーン」の「ムーンスティック」型悠遊カード。子どものおもちゃにも最適なのが魅力ですが、すごいのは製作陣の気合の入り方。長さ18センチで、スティックの中央部分がカードを使用時に三色に光るように作られています。

 ちなみに、台北市の柯文哲市長がのスティック型悠遊カードを使ってバスに乗車して出勤する様子がニュースになりましたが、見た目がおじさんの市長がこれを使う姿は、何ともシュールな光景でした。

 沖縄の次は…

 個人的は観光地として人気が高い北海道でも使えるようになるといいなぁ…と思っています。


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