スイスのハロウィーン事情
2024.10.24 up
同じ日に、ハロウィーン商品とクリスマス商品関連のチラシが郵便受けに入っていました
筆者がスイスへ越してきた15年前、ハロウィーンはほぼ存在していない行事でした。数年後に近所の子どもたちが数人ぱらぱらと「トリック・オア・トリート」しに来たぐらい。
その後、現在はこの国でもハロウィーンが市民権を得るようになってきたように思います。この時期にスーパーへ行くと、ハロウィーンものとクリスマスものが混在し、若干カオスな状態となっています(苦笑)。
子ども向けとみられる大容量のお菓子や、コスチューム、そして大人向けとしてはホテルやレストラン、クラブなどでのチケット制ハロウィーンパーティイベントも増えました。
さすがに道路などの公共の場で、仮装した人がお酒で酔っぱらって公的秩序を乱すといったケースは多くないです(こんなことしたら警察に連行されます)。
とはいえ、ハロウィーンの夜にバスや車、そして一般の家などに石や卵をぶつけて汚したり、窓を割ったり、さらには車を炎上させたりする困った輩(やから)はスイスにももちろんいて、そのたび警察が出動するはめに。
アイルランドの墓地
それにしても、スイスも日本同様、ハロウィーンのルーツを知ってイベントを楽しんでいる人はあまりいないのではないかな、と思います。
元来ハロウィーンの日は、収穫を祝うと同時に、「夏」から「冬」へ、そして「明るい世界」から「闇の世界」への区切りの日となる、アイルランドはケルトの風習。この日、あの世とこの世の境がなくなり、その結果ご先祖さまだけでなく、魑魅魍魎(ちみもうりょう)なんかもこの世へ来て、生きている者をあの世へ連れ去る…と当時の人は信じていたそうです。
そのため「自分たちがオバケのふりをすれば、人間だとばれず助かるかも?」ということで、この日オバケの扮装をしたのが始まりだとか。
お墓に供える花は、季節がらか菊の花が多いです
スイスの場合、10月31日のハロウィーンよりも大切な日は、翌日の11月1日。この日は「万世節」で、特にカトリック色が強い州は祝日となっています。
この日にはお墓参りに行く人も多いのですが、ジュネーブなどカトリックとプロテスタントが混在するような州では、花が供えられたお墓と、そうでないお墓が見られたりして、なかなか興味深いです。
11月に入れば、スイスも他のヨーロッパの国々も本格的にクリスマスの雰囲気となります。そしてばたばたと年末まで忙しくしている間に、気づいたら年が明けているのでしょうね!
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