台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

前の月へ

2024.12

次の月へ
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31     

会場に設けられたインディーズゾーン

会場に設けられたインディーズゾーン

 台北国際ゲームショウの会場には、インディーズゾーンという独日でゲームを開発し、STEAMなどで販売しているクリエイターの方も気軽に出展できるコーナーがあります。そこでは、台湾だけでなく、日本や韓国など海外のクリエイターが開発したゲームが体験できるのが魅力で、ここを回るだけで1日使ってもいいくらいのところです。

 今回は私自身が見て、教育方面に生かせそうなもの、おもしろそうなものを紹介します。


莉莉安工作室の「誰是被告人(被告は誰?)」

莉莉安工作室の「誰是被告人(被告は誰?)」

 莉莉安工作室の「誰是被告人(被告は誰?)」は、裁判所を舞台にプレイヤーは検察官になって被告人や証人に質問をして、被告人を追い込んでいく。日本にも「逆転検事」という「法廷バトル」ゲームがありますが、開発のヒントになっているのは間違いないようです。

 裁判所の傍聴経験もある私にとって、大変興味深いゲームだったので、テストプレイをしてみましたが、一見真面目に事件の審理をしているようで、あちこちに脱線しながら裁判が進んでいくのが面白かったです。

 製作者は、法律専攻の方や専門家に「実際の法廷と比べて……」と言われるのを気にしていたようですが、「気軽に裁判を体験できるのが目的なら、このくらいの脱線はいいのでは? むしろそれが魅力では?」とお返事しました。

【参考】
https://www.facebook.com/LILIENGAMES


Tsune Studio の「漢字インダストリー」

Tsune Studio の「漢字インダストリー」

 開発者が日本の会社だった「漢字インダストリー」。

 漢字を組み合わせて別の漢字を作り、生産ラインを構築しながら大量の漢字生産を目指すゲームです。1月に放送された「光る君へ」で登場した偏継(へんつぎ)と呼ばれるカルタゲームから着想を得たようなゲームで、慣れていったら夢中になれるゲームだと感じました。

 現時点では簡単な漢字の組み合わせでプレイするようになっていますが、これも小学生低学年、高学年、中学生、高校生以上といった感じで難易度をつけていけば、幅が広がるように感じました。何より、漢字学習が苦手な方には、このゲームはありなのではないかと思えるくらい教育に生かせる作品ではないかと思いました。

【参考】
https://store.steampowered.com/app/2324520/_/
https://www.famitsu.com/news/202309/30319050.html


Annulusのプリコラージュ -IDOLIZED -

Annulusのプリコラージュ -IDOLIZED -

 こちらも日本の会社が開発した「プリコラージュ -IDOLIZED-」。

 アイドル・セナのSNSのページをを丹念に調べ、細かい情報を掴みながら真相に迫っていくアドベンチャーゲームです。思い込みや先入観がゴリゴリに入っていると、なかなか前に進まず停滞しますが、写真がメインのSNSを使用する際に、どんなところに注意すればいいかをゲームを通して教えてくれるという教育にはうってつけのように感じました。

【参考】
https://annulusworld.com/blog/2023/07/29/プリコラージュ-idolized/


ミヤザワワークスの「紙がない」

ミヤザワワークスの「紙がない」

 人が絶えず集まっていたのは、以前紹介したミヤザワワークスの「紙がない」。実際、担当の方は、なかなか食事を摂る時間を確保できないくらいでした。

 トイレットペーパーがコントローラーになっていて驚きましたが、芯の空間にNintendo Switchのジョイコンを差し込んで、ダンボールの板の上でコロコロ転がします。ゲームの目的は、「トイレに駆け込んだ男性が紙がなくて困っているので、上からトイレットペーパーを転がし、様々な障害を乗り越え、下で待っている男性に届ける」という単純なものです。

 子供たちだけでなく、大人たちが、トイレットペーパーをコロコロ転がしながらキャッキャはしゃいでいるので、足を止めて見ている人が多かったです。

 前回はシャンプーなどの洗剤の容器でしたが、今回はトイレットペーパー(に差し込んだジョイコン)。他のコーナーの追随を許さない(ように見える)独創性は、本当に頭が下がるだけでなく、クリエイターを目指す人たちにとっても生きた教材のように映りました。

 その一方で、自分がゲーム中の男性の立場だったら、こういう形で紙を受け取りたくないなぁ……と思ったゲームでした。

【参考】
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=20183222340
https://skt-products.com/give-me-toilet-paper/
https://www.famitsu.com/news/202303/02294708.html


レポーター「小川 聖市」の最近の記事

「台湾」の他の記事

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives