分野を超えた交流点 台北国際ブックフェア(1)
2024.05.18 up
会場の風景
毎年開催されている台北国際ブックフェアが2月下旬に開催されました。
昨年から従来の1~2月に開催時期が戻りましたが、過去に出展規模が2カ所あったのが今年は昨年に続き1カ所のみで、全体的に減っている感が強かったのですが、これまでよりは減少気味。その中でも、これまで同様の「分野を超えた交流点」の役割を果たしているように見えました。
メインは各出版社の書籍の販売、出展先のPRですが、同時に国籍や分野を問わず著名人が訪れる場でもあります。どんな方が訪れたのか、簡単に紹介していきます。
陳水扁元総統
初日に見かけて驚いたのは、2000~2008年に総統を務めた陳水扁元総統が書籍の出版記念でトークショーに出ていたことです。会場を多くのメディアが囲む異様な雰囲気が漂っていて、何だろうと思って様子を見ていたら、陳元総統が壇上にいて、驚きました。
陳元総統は、マネーロンダリング防止法違反などで逮捕、起訴され有罪判決を受けましたが、健康状態の悪化を理由に審理が停止され、仮釈放された状態にあります。最近では、蔡英文総統の任期満了を迎える5月20日前に特赦になるのでは?と言われていますが、この原稿が出る頃にはどうなっているでしょうか。
新総統(左)と未来の総統候補(右)?のサイン
台北国際ブックフェアには、政府要人が多く訪れるのが特徴で開会式には蔡英文総統も訪れていました。蔡英文総統は、任期満了を控えていることもあって、少し前から表情が穏やかになってきましたが、これから任期を迎える頼清徳副総統の命運やいかに。
2022年の台北市長選挙で当選した蒋萬安市長も会場を訪れ、サインを入れていたようです。両者は、早ければ2028年の総統選挙で火花を散らすことになりそう(2026年の台北市長選挙に再選された場合、2030年まで任期が続きますが)ですが、その頃どんな社会に変わっているでしょうか。
監察院の陳菊院長
監察院の陳菊院長は国家人権委員会ブースを2回訪れました。
過去には高雄市長、総統府秘書長などを務めた実績のある方ですが、政治家になる前は民主活動家として逮捕、投獄された経歴もある方です。そのような過去があるからでしょうか。展示を眺めながら涙を流す姿も見られました。
2回目の時は、人権派の弁護士との対談も行われ、ブースには多くの人が集まりました。
新外交部長の林佳龍氏
独立系出版社のブースでは、頼清徳総統の就任に合わせ、外交部長に就任する林佳龍氏も見かけました。こちらは、大きくPRしていたわけではなかったようで、訪れた人も少なかった印象です。(つづく)
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