地震の爪跡 線路がずれた公共交通機関(1)
2024.06.26 up
新北MRTの中和駅の案内表示より
4月3日に花蓮縣東方を震源とする地震が発生したのは、ご存知の方も多いと思います。この地震では、花蓮縣だけでなく、台湾北部でも大きく揺れ、被害も出ました。台北市と新北市は花蓮縣ほど大きな被害はありませんでしたが、住民の生活と観光時の移動にに大きく影響が出そうな被害が出ました。
台北市と新北市の公共交通機関のMRT環状線で、線路がズレる被害が出て、一部区間が運行停止になりました。
その時、報道で出た写真を見て、「このくらいならすぐ復旧するだろう」とたかをくくっていたのですが、その後行われた復旧作業に関する会議で、復旧に1年以上かかるという報道が出たことで、気になって4月下旬に運行停止になっている区間を見てきました。
今回は、その様子を紹介します。
無料運行のシャトルバスの案内
新北MRTの環状線は、新北産業園區駅から大坪林駅までの全長15.4キロ、14駅で構成されています。開通は2020年1月31日の比較的新しい路線です。
このうち、地震の被害を受け、運行停止中の区間は、板新駅から橋和駅の3駅分です。現在、この区間は板橋駅から中和駅まで無料のシャトルバスを運行する形で補い、周辺住民の移動を支えています。この区間を約20分で移動しますが、朝夕のラッシュ時に道路が渋滞した場合は、それ以上かかることが予想されます。そう考えると、突然の地震で1年近く不便を強いられる周辺住民の方の心境を考えると、きついものがあるように感じました。
4月下旬時点での時刻表
地震発生後は、運行停止区間の三駅を除いた、新北産業園區駅から板橋駅(4月3日17時から)、中和駅から大坪林駅(4月7日11時から)の区間を運行する形をとりました。運行時間も4月26日からは、運行本数も新北産業園區駅から板橋駅の区間で本数を増やしました。
使用を止めるエスカレーター
路線が途中で分断され、部分運行することによって、これまでのように駅の施設を使用することもないので、使わない設備には非常線が引かれ、ひっそりしていました。
使われるようになるのは、いつの日でしょうか。
行けない行き先に黄色のテープ
MRT中和駅で見かけた表示。黄色のテープで本来の行き先の「新北産業園區」の表示が消されていました。
この駅から折り返しで、大坪林駅に向かう折り返し運行なので、仕方がないところです。
なぜこの駅から折り返し運行になるのかは、次回にて。
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