スイス

スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

前の月へ

2024.10

次の月へ
S M T W T F S
  1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31   

“落ちない”キャップのペットボトル。慣れるのに時間がかかりそう?

“落ちない”キャップのペットボトル。慣れるのに時間がかかりそう?

 2024年7月3日から、欧州連合(EU)圏内で販売されるすべてのプラスチック製キャップ付き飲料は、キャップが容器本体から取り外せない仕様となりました。

 これはプラスチック汚染の削減を目指すため、2019年に欧州連合内で決まった法律で、ペットボトルはもちろん、紙パックについているプラスチックの小さなキャップなど、一部の例外を除き、ほぼすべての容器に適用されるのだとか。


スイスのスーパーでは、キャップが取り外しできる商品とそうでない商品が混在

スイスのスーパーでは、キャップが取り外しできる商品とそうでない商品が混在

 たしかにペットボトル飲料のキャップは、飲んでいるうちにうっかり落としたり、なくしてしまうことがありますし、道端に飲料のキャップが落ちているのを見かけることも。

 そういう状況から、こういった小さなプラスチックキャップの回収率を上げ、リサイクルをしやすくするのが目的なのですが、実際2016年からこの“落ちない”キャップを採用した飲料を販売している、あるフランスの飲料会社によれば、キャップをボトルにくっつけることで、リサイクルのための選別が容易となり、キャップによる環境汚染を防ぐことができたのだそう。

 ただ、そういった環境を守るための法律だと重々理解しながら、「キャップが取れないと飲みにくい」といった消費者の声も大きかったりします。
 
 ボトルから直接飲みたい時、キャップが鼻や頬にくっついて飲みづらかったり、コップに注ごうとすると、キャップに当たって中身がこぼれてしまった…などの理由で、“落ちない”キャップが疎ましいと考える人はスイスではかなり多くいるそうです。


スーパーの入り口にある、ペットボトルのリサイクルボックス

スーパーの入り口にある、ペットボトルのリサイクルボックス

 とはいえ、スイスは欧州連合に加盟していないため、スイス国内では従来の取り外せるキャップでの商品を販売することが可能です。そこで企業によっては、欧州連合向けの商品は“落ちない”キャップ、スイス国内で販売する分は旧式の“取り外せる”キャップ、と分けているところもあります。

 そんなわけで、スイスのスーパーではこれら2種類の商品が混在しています。

 結局は慣れの問題なのだろうな、と思いながら、今日も“落ちない”キャップのペットボトルと格闘しつつ水分チャージをしている筆者です。




レポーター「小島 瑞生」の最近の記事

「スイス」の他の記事

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives