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台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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総統府前より

総統府前より

 旧正月の連休に入る前、立法院(国会に相当)で文化関係の政府予算が大幅にカットされる予算が提出され、最終的に前年比30%減で議会を通過。さまざまな方面から立法院で予算通過に関与した多数派の國民党と民衆党の立法委員に非難の声が上がりました(今でも上がっているようですが)。

 私は2020年から総統府プロジェクトマッピングショーを見て、その様子を紹介していますが、こちらへの影響が及ばないか気になっています。

 明確なテーマ性を持ち、台湾が持つ魅力や社会的背景への理解に寄与してきたイベントなので続けてほしいところですが、昨年どのような感じだったのか、紹介します。


駄菓子屋さんの軒先のイラスト

駄菓子屋さんの軒先のイラスト

 テーマは「Together ,Stronger(共に、より強く)」ということで、台湾で発行された漫画を元に、現在の多元的な文化が融合する社会がどのように構築されていったかをプロジェクトマッピングしたものです。 

 


ライトも使って演出

ライトも使って演出

 古くは1958年に発表された「諸葛四郎」から1900年台の作品が6点、2010年台が18作品、2020年代が18作品あったことから、若い世代のクリエイター、製作スタッフが頑張って上の世代の人たちとうまく歩調を合わせていけた印象を受けました。


課金派戀愛(2022年)より

課金派戀愛(2022年)より

 上の写真を見ると、比較的新しい画風だというのが分かるのですが、日本の漫画に埋もれ、台湾で魅力ある作品を描き続けている作家が多数いるだけでなく、彼らが持つ潜在的な能力も日本に負けていないのではないか、とも思わせてくれるものでした。


雷は落ちていません

雷は落ちていません

 プロジェクトマッピングショーは10分程度で終わりますが、作品には製作に携わった多くの人たちの魂や想いがぎっしり詰まっているように感じました。今年も来年も開催されることを祈ります。

 繰り返しになりますが、これから遭遇する文化方面の予算の大幅削減が、このような台湾の理解を深めるイベントや作品にどのような影響を及ぼすか。若くて優秀なクリエイターたちが萎縮して、先鋭的な作品を残すことをためらわないか。また、そのような雰囲気が奪われないか。今の立法院を見ていると、その機運が強まっているようにも映りますがどうでしょうか。

 2026年の統一地方選挙、28年の総統、立法委員選挙に向け、社会がどのように変わっていくか。日本のみなさんには、その辺りにも注意して見ていただければ、と思います。


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