ショーウィンドーでお芝居を!
2009.07.30 up
ベルンの中央駅前に建つLoeb(ローブ)。1899年の創業以来、ベルン人に愛され続けている老舗百貨店です。このLoebの名物は、メイン通りに面した20mほどのショーウィンドー。春先にはイースターのシンボルであるうさぎを何十匹も放し飼いにしたり、「イタリア」をテーマにショーウィンドー内にジェラート屋を設置したりと、奇想天外なデコレーションで絶えず道行く人の注目を集めています。
そんなLoebの今月のショーウィンドーには、一体のマネキンもない5つの不思議な空間が並んでいます。
ハイジの一シーンのような山小屋の入り口、使い込まれた家具の並ぶダイニング、泥だらけの登山靴がころがるベッドルーム、農具の置かれた勝手口、そしてかつらや小道具が雑然と並ぶ「メーク室」。
お皿なども可愛いダイニングの空間
実は、このショーウィンドーを使って、お芝居が上演されているのです。
題目は、エメンタール地方の人間模様を描いた喜劇「Dräck am Stäcke (杖の汚れ:不正な行為の意)」。
あまりのリアルさに、つい誰もが中を覗いてしまう
閉店後の上映時間になると、ショーウィンドーの前に干し草をのせたトラクターがやってきます。観客はそのトラクターに腰掛けて、ガラス窓の中で繰り広げられる約40分間のお芝居を楽しむという仕掛けです。(五つ目の「メーク室」の空間では、俳優さんが実際にメークをしているところも覗けるとか。)
毎回30人限り、22回だけの上演ということで残念ながらチケットは完売でしたが、セット(ショーウィンドー)だけでも農家のお宅を覗いているようで思わず足を止めてしまいます。
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タグ:ショーウィンドー,芝居
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