マレーシア

マレーシア:クアラルンプール

久貝 京子(クガイ キョウコ)

職業…団体職員
居住都市…マレーシア クアラルンプール

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1月8日(金)の朝、クアラルンプールとその近郊で3軒のキリスト教会が放火されました。これは、イスラム教で神を意味する「アラー」という言葉の他宗教の教徒による使用が、高等裁判所によって許可されたことに端を発したもの。

それぞれ違う宗教を信仰する他民族が、お互い干渉しあうことなく共存するマレーシア。お互いにいろいろと思うところはあるとしても、大きな暴動がほとんど起こってこなかったこの平和な国に、これからどんなことが起こっていくのだろうか…。

そんな得体の知れない大きな不安に駆られていたその夜に、友人から送られてきたSMSには大文字で、“EVERYTHING’S GONNA BE ALRIGHT- 明日のお昼、ブキッ・ビンタンの交差点。大きな花束を持ってきてください。人々に“Everything’s gonna be alright”と伝えるために配るものなので、安い花で構いません。”


大きな横断幕を掲げる参加者

大きな横断幕を掲げる参加者

何かに抗議するわけでもない、誰かを攻めるわけでもない。ただ、“Everything’s gonna be alright”と人々に伝えながら花を配るだけ。その行為が、もし少しでも人々を幸せな、平和な気分にさせたなら、争いごとは避けられるはず。今必要なのは、戦うことでなく、パニックに陥って愚かな行動を犯すのではなく、冷静に、落ち着いて、皆で平和を願うこと。

発起人は、ある若手映画監督。金曜日の夜中にFacebook上にグループをつくり告知。その後、賛同したその他若手アーティスト達がそれぞれニュースを広め、翌日のお昼には花を持ち寄った数十名の若者が集まりました。


様々な民族の若者達が花を配る

様々な民族の若者達が花を配る

実際にその場で彼らの活動を目の前にして、救いだと感じたことは、このささやかだけれども意味深い活動が、若い人たちの主導で行われたこと。きちんと分別を持った、多くの若者達の存在は、この国の未来に希望の光を与えていると思いました。




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タグ:平和活動

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  • 2 コメント

2 - Comments

ナイスガイになりたい。より:

2010 年 01 月 16 日 16:56:51

呼びかけに賛同し、素直に行動できる人たち・・
いいですね・・国境、信仰、人種を超え・・素晴らしいことです。

久貝 京子より:

2010 年 01 月 18 日 23:30:49

ナイスガイになりたい。さん、書き込みありがとうございます。レポートにも書きましたが、すれていない若者がこれだけいるということは、本当に救いだと思いました。

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