オペラ劇場でもストライキ
2010.02.09 up
2月4日からドイツ各地で、サービス産業統一労組Ver.di(ヴェルディ)の呼びかけによって、公共部門で働く多くの人が参加する警告ストが実施されています。10日まで各都市でスト決行が予定されていて、雇用側の国や自治体に対して公務員の賃上げを求めています。
このストにより、フランクフルトでは5日終日、地下鉄、路面電車、バスが全面でストップしました。おまけに天気も悪く、市民には何とも不便な一日となりました。
ドイツの各都市にある劇場のほとんどが公共施設であり、公的資金を中心に運営されているため、公共部門のストが起こると、劇場公演の演出にも影響が出てしまいます。
フランクフルト市立オペラ劇場でも今回のストで、予定されていた歌劇『メフィストフェレ』の通常公演が不可能となりました。ステージテクニック部門のスタッフはストに参加しているため、演出に欠かせない照明や舞台装置の転換ができません。オペラ公演のはずが、オーケストラ、コーラス、衣装だけは身に付けたソリストによるコンサート形式の公演に変更されました。見ごたえのある公演を期待していた観客にとっては何とも残念ですが、即興的で少し風代わりな公演を楽しめるかもしれません。
日本では公共交通機関が完全にストップしてしまうような派手なストはありませんが、ヨーロッパでは結構起こります。劇場にストの影響が出るのも、そんなに珍しいことではありません。ドイツ各地の劇場が2年に1度ぐらいはこういう状況に陥っていると思われます。
レポーター「千田 隆子」の最近の記事
「ドイツ」の他の記事
2 - Comments
とんぼちゃんより:
2010 年 02 月 09 日 11:33:48
要求は受け入れられるものなん?
jellicleより:
2010 年 02 月 10 日 17:31:14
賃上げを勝ち取ってる例はあるよ!
Add your comments