山奥にひそむ富豪の町「コプリフシュティツァ」
2011.08.23 up
滞在した友人宅、推定築160年!
ブルガリアの有名な町のひとつに「コプリフシュティツァ」というところがあります。ブルガリアを東西に走るバルカン山脈の山中で、ソフィアからは列車・バスで2時間半ぐらいで行くことができます。標高が高いので夏も涼しく、避暑に行くブルガリア人やツアーの外国人観光客で賑わいます。
ここはとても不思議な町です。山奥の少しだけ開けた場所に、びっしりと古い豪邸が建ち並んでいるのです。豪邸の多くは18世紀から19世紀にかけて建てられた、当時の豪商の邸宅です。その頃の風景がそっくりそのままといってもいいくらい良く残っています。
部屋に足を踏み入れれば、まるで物語の中
幸運なことに、友人一家がコプリフシュティツァに家を一軒所有していて、夏のあいだはそこに滞在しているとのことなので遊びに行ってきました。
友人宅も推定築160年の古い豪邸です。部屋は1、2階に各4部屋、他に廊下兼サロンがあります。花に溢れた庭でいただく朝食は別格です。1階の一部屋には昔の道具が昔のままに置かれており、別の時代に足を踏み入れたような心地になります。
オスレコヴァ家
コプリフシュティツァでは現在、6軒の古い邸宅が博物館として公開されています。今回の滞在は1泊2日でしたが、この町はあまり大きくないので、数時間ですべて回ることができました。
コプリフシュティツァの家は、とてもカラフルです。青、黄、ピンク、赤などに壁が塗られており、部屋の中も様々な色に塗り分けられています。壁に直接絵が描かれているのも普通です。ありし日の美学を肌で感じます。
ここでは家の一部(下層階)が石造、他が木造というのが一般的な構造です。門も木造なので、日本人には意外と親しみやすいかもしれません。
これはベランダかな?
ブルガリアの古い家には、この写真のような広いベランダのような空間がよく見られます。すっぽりと屋根に覆われているので、ベランダと呼べばいいのか部屋と言うのがいいのかわかりません。この半屋外の空間は主に夏のためのもので、風通し抜群の広い日陰を作り出す昔の知恵です。
どっしりとした構えのカブレシュコフ家
この時代の邸宅には、ときどき湾曲したラインを用いるものがあります。建築様式でいえばバロック風です。このような形が当時の流行だったのです。
この写真の邸宅はとても大きなものですが、もちろん小さく可愛らしい家もたくさんあります。天井が低く、部屋も小さめの家のほうが私には身近に感じられました。
本当は一週間ぐらいのんびりしたかった素敵な滞在でした。
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