山奥は沼のほとりのカフェ
2012.11.17 up
広い庭を眺めながら挽きたての珈琲でゆっくりと
福島市の南西に「土湯」という昔ながらの温泉街があります。吾妻連峰方面へ向かう道の途中、荒川の渓谷沿いに旅館が連なって立っています。今回はさらに峠を登って「空カフェ」というところへ行ってきました。
空カフェという名前は、福島の人ならば一度は聞いたことがあるかもしれません。名前は知っているけれど場所がわからない人が多い不思議なカフェです。私も道路脇に立つ小さな看板を目印に山を奥へ奥へと入っていきました。
二棟続きの大きな古民家
看板に従って辿り着いたところは「びっき沼」。「びっき」とは土地の言葉でカエルのことです。この沼は水芭蕉が咲くことで有名で、私も小さい頃に見に来た記憶があります。びっき沼の向かいにまた小さな看板と階段がありますが、建物は生い茂る木々に隠れて見えません。だから皆、気づかずに通りすぎてしまうのです。
階段を上るとそこには広い庭と大きな古民家、そして蔵がありました。
昔懐かしいノップ碍子
美味しい珈琲をのんびりといただいた後、オーナーにお話をうかがうことができました。
この大きな古民家は約100年前に建てられたもので、昔は山の管理や牛の飼育、養蚕をしていたのだそうです。二棟続きで建てられており、現在は半分をカフェ、半分をギャラリーなどの用途に使用しています。頑丈なつくりで、昨年の震災のときにも倒れた家具はなく、食器棚にしまっておいた食器にも被害がなかったとのことです。
福島らしいゆっくりとした山の時間が過ごせるところです。雪が降ったら冬季休業に入ります。次に出会えるのは春です。
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