インドネシア

インドネシア:ジャカルタ

岡坂泰寛(オカサカヤスヒロ)

職業…記者(邦字新聞「じゃかるた新聞」記者)

居住都市…ジャカルタ(インドネシア)

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南東から見たジャカルタ中心部。写真中央は、スディルマン通りに林立する高層ビル群

南東から見たジャカルタ中心部。写真中央は、スディルマン通りに林立する高層ビル群

 上空1400フィート(約426メートル)。チャーターしたヘリコプターからインドネシアの首都ジャカルタを眺めると、下町に広がる赤瓦の屋根が摩天楼の隙間を絨毯(じゅうたん)のように埋め尽くしていました。世界第4位の人口を誇るインドネシア。その首都には、下町と高層ビル群が混在しています。
 雲がまばらに浮かんでいた晴れの日。小型ヘリコプターに乗り込んで首都を上空散歩しました。大統領宮殿や国軍施設の上空は飛行禁止区域。商業地区が集中する中心部から、旧市街や貿易港がある北へルートを取りました。
 平日午前11時の目抜き通り。南北へ走行する車列は、首都中心部を貫く交通の大動脈を絶え間なく移動していました。
 近年、急速に建設が続いている郊外と都市をつなぐ高速道路も、首都経済の急速な成長とともに増える郊外からの通勤者の車や、鉄道などの交通インフラが弱いインドネシアで物流を支える大型トラックで渋滞気味です。


郊外へ延びる高速道路。広大なジャワ島のほとんどは、まだ緑があふれています

郊外へ延びる高速道路。広大なジャワ島のほとんどは、まだ緑があふれています

 一方で、高速道路が延びる先に広がる郊外には、農村や森林のほか、綺麗に整備されたゴルフ場が点在。一気に緑が増えます。
 高速道路に沿って形成されているのは、日本の商社が1980年代ごろに立ち上げた工業団地です。日系企業の自動車大手や電器メーカーが盛んに入居し、現在でも東南アジアにおける主要企業の生産基地となっています。
 巨大なショッピングセンターや大学、病院、娯楽施設などを兼ね備えた複合都市も近年は建設が急ピッチで進められ、建て売り住宅の建設や重機による整地が着々と行われています。
 経済が好調なインドネシアが世界から注目を集める中、海外メーカーの進出が相次ぎ、「工場建設の土地が足りない」とよく駐在員などから聞きます。緑が広がる郊外でそういう状況になる最大の理由はインフラ整備の遅れで、工場するための道路や上水道などが整っていない地域がまだほとんどです。


整備が急ピッチに進められている建て売り住宅

整備が急ピッチに進められている建て売り住宅

 ヘリで華人街となっている旧市街を抜け、北海岸へ向かいました。「あれがインドネシア最大の貿易港だ」。パイロットが指差した先にはタンジュン・プリオク港があり、沿岸数キロにわたり数十隻の船舶が停泊していました。
 全国の約半分のコンテナ貨物を扱う海の窓口として、国内物流の拠点となっている同港。現在は拡張計画が進行中で、敷地内には無数のコンテナが迷路のように積み上げられていました。


タンジュン・プリオク港。日本政府の支援による港湾保安の強化も行われている

タンジュン・プリオク港。日本政府の支援による港湾保安の強化も行われている

 住宅地の中にモスクが点在するのも、世界最大のイスラム教徒人口を誇るインドネシアならではの風景。空から首都を見ると、普段とは違った感覚でアジアの巨大都市を眺めることができました。


下町の中に見つけた建設中のモスク

下町の中に見つけた建設中のモスク


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