上海にはたくさんの飲食店があります。おそらく日本にいるよりも手軽に各国料理を楽しむことができます。ですが、さまざまな要因により、その店の「品」「質」、安定した集客を保つのは難しく、同じ店が同じ経営者で長く続けて行くということは難しいのが現状です。日本人経営の店も例外ではありません。

そんな経営者の皆さんの前で、以前にご紹介した「果菜村」の中村さんが「中国の有機野菜の現状について」というテーマで講演をされるということで、その集まりにご招待いただきました。

この集まりを主催したのは、「上海STI」という交流会のみなさん。「STI」とは「上海店長育成会（Shanghah Tencho Ikuseikai）」の頭文字からつけられた名称で、2010年、「共に勝つ」の理念のもと、次世代の店長を育成し、これからの上海外食産業を盛り上げようということでスタート。勉強会を通して知識だけでなく交流を深め、業界のパワーアップをはかる試みです。
勉強会は現在毎月昼の部1回、夜の部1回の開催で、昼と夜は異なる内容になっています。昼は食そのものだけでなく、飲食店の経営に関わりのある、あらゆる業界から専門家を招きセミナー形式で学習、夜は飲食の現場から出て来る悩み、問題点をテーマに同業の皆さんで熱く議論をする集まりという構成です。

今回はまず、中村さんの講演があり、その後、各お店の皆さんが果菜村提供の無農薬有機野菜を使った料理を披露、みんなで試食となりました。
普段と異なり果菜村の会員である女性の皆さんが参加されていたこともあり、料理の感想だけでなく、飲食店への要望などを聞くことが出来、果菜村会員の皆さんにとっても、メンバーの皆さんにとっても、この試みは新鮮だったのではないでしょうか。

引き続き、今回の会場となった「En Shanghai」の具志堅さんによる、飲食業界人となったきっかけと、「En Shanghai」のオペレーション・マネージャーになるまでの道のりや苦労話をお聞きしました。
決して給与面でも労働条件でも満足のいく業種とは言えないけれど、それでも8年間飲食業界で仕事を続けられているのは、「お客様の喜びがダイレクトに伝わってくる」からだと、生き生きした表情でおっしゃる具志堅さんの姿に、これからのチカラを感じました。

今回の司会をつとめられた「居酒屋仙酔」の馬渕さんは、「『おもてなしの心は自分の喜び』、地道な努力をも楽しみとできる、それが日本人の魅力ではないか」と述べられた上で、この会を通して、若い力をつなげるステージ作りをサポートしていきたいと締めくくられました。

いずれは「食育」にもつなげていきたい。そのためにはまずそれぞれの店の安定を。上海STIの挑戦は続きます。

＊STI上海店長育成会
　http://blog.explore.ne.jp/sti/

＊ごっちゃんの絆ブログ（後藤田利之氏）
　http://ameblo.jp/kizunakai/

＊En Shanghai
　http://www.en-shanghai.com/

※今回の昼STI参加店による料理の詳細はこちらでご紹介しております。
＊愛上蔬菜～上海でおやさい通信～
　「汗だくで講演、中村さん　～第3回上海STI昼開催～」
　http://oyasai.bangofan.com/Entry/30/

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