ぱくぱく衣類を食べるパンダ
2015.08.05 up
廃旧衣物回収箱(衣類・雑貨リサイクルボックス)
もう何ヶ月前のことでしょうか、ある日我が家のある居住区の入口に新しい守衛さんかのように立っている2頭のパンダを見かけました。
笑っているようで笑っていないような、ややシュールな表情のそれは、子ども向けの展示物でも遊具でもなさそう。
パンダのおなかの説明書き
よく見ると、おなかに何やら書いてあります。
上海市の第五次エコ3ヶ年計画の一環としてこのパンダは存在するようで、「廃旧衣物回収箱(フェイジウ イーウー フォイショウシィァン)」がその名前のようです。
新旧の区別はなく、きれいに洗ってある(保管してある)乾燥したものなら、各種衣類、寝具類、靴やカバンなども受け付けてくれます。
上海では分別ゴミ用にゴミ箱が分けられてはいるものの、実際には徹底していません。ゴミ出しも日本のように曜日が決められているわけではなく、分別しなかったからといって回収してもらえないわけでもありません。
町には、ゴミ袋やゴミ箱の中からお金になるもの(例えばペットボトル)をあさっていく人も少なくありませんから、捨てた人の知らないところで簡易分別が行われている状態になっているという現状もあります。
また、上海市人民政府は、古着売買を禁止しているため、古紙やペットボトルの買い取りをしてくれる業者はいても、古着は売ることができません。そのため、古着はチャリティ団体など特定の条件が揃ったところでしか取り扱われることがありませんでした。
そこで、衣類の有効なリサイクルを行うため2012年から始まった第五次エコ3ヶ年計画の中でこの回収ボックスの利用が始まったのです。
担当者が子どもを意識したかどうかはわかりませんが、まだ着ることのできる衣類などをこのパンダに「食べてもらう」行為は何やら楽しそうで、子どもが親にそれができるようお願いしている姿が目に浮かびます。
パンダの顔をあけてみます
では私たちも実際に衣類を食べてもらおうと思います。
遠くから離れて見ると、直接衣類などが投入されているようですが、ぐしゃぐしゃになるのはイヤなので、私は袋に畳んで入れてそれを投入することにします。
パンダさん、よろしくね
今回は、ほとんど袖を通していない或いは未使用の娘の夏用衣類と、買ってみたけれど素材が気に入らず使っていなかったシーツセットやカバンを3つの袋に分けて投入しました。
きれいだけれどもらってくれる人がいるかどうかがわからず処分に困っていた衣類も、こうして明示され且つ利用しやすい場所があれば捨てずに済むので大変便利だと思いました。これを回収・分別・分配されるお仕事の方々にはがんばっていただかねばなりませんが、求められている場所へ無事に届くといいなと思います。
パンダさん、おなかいっぱいになったかな。
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