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中国:上海

イエン ヨウコ

職業…書き描き屋

居住都市…上海市(中国)

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「福島にあいでみ(おいで)」

「福島にあいでみ(おいで)」

3.福島県内の高校生による将来の夢、中国との交流

最後に登場したのは、福島県立福島高等学校1年生の鈴木瑞彩さん。
学生たち自身で行う「パーソナルプロジェクト」で「福島復興」について取り組んできました。
(福島復興プロジェクト)

福島県東部にあたる「浜通り」の相馬と南相馬(小高地区)を彼女たちは歩きました。
震災から1年半、未だに水道も電気も復旧していません。
あちこちに亡くなった人がいたことを示す印も残っていました。
がれきの処理も進めようがない状態でした。
体験談を聞くたびに、同じ福島県内に住みながら、普通の暮らしができること、
何気ない暮らしの大切さを知りました。


鈴木瑞彩さん

鈴木瑞彩さん

このプロジェクトの中でいくつかのまとめがありました。
そこから同じ福島に住んではいても知らなかったいろいろな問題を知ります。
立ち上がろうとしている人たちと同じぐらい周りはがんばっているのだろうか。
私たちの未来は、誰かがつくってくれるものではなく、私たちがつくるもの。
私たち高校生は、大人の言葉を信じるだけでなく、
自分たちで考え行動することができる世代。
だからこそ、高校生であることが重要。

そうして新たなるプロジェクトに取り組みます。


上海市東展小学の子どもたちからのメッセージフラッグ

上海市東展小学の子どもたちからのメッセージフラッグ

「福島にあいでみ」プロジェクト。

「あいでみ」とは福島の言葉で「おいで」の意味。
笠井彩子さん、小林惠菜さん、渋谷佳奈子さん、鈴木瑞彩さんによるこのチームは、
後に「チームあいでみ」と名付けられました。
メンバーの2人が2010年の上海万博の際にホームステイを経験し、
現地の人たちと交流を深めた経験を持っています。
中国の高校生を福島へ呼ぼう。
今は緊張の続いている二国間の関係も、
若い世代から交流・理解を深めていけば良好になる日が来る、
そう信じて彼女たちは動き始めました。

福島県北部で活動しているBridge for Fukushimaのバックアップを得て、
計画を進めていきます。


上海市進才中学国際部からのメッセージフラッグ

上海市進才中学国際部からのメッセージフラッグ

今回、「2013つくばScience Edge」に参加するため
上海から日本へ訪れることになっている
上海市大同中学の学生4名と復旦大学附属中学の学生4名、
そしてそれぞれの引率者3名の合計11名を福島へ招き、3泊4日を過ごします。

3泊4日のプログラムは、「2013つくばScience Edge」終了後に
一緒に福島へ向かうところから始まります。
言語や習慣の異なる中において理解を深めるため、
まずは一緒にスキーをしてウォーミングアップ。
緊張がほぐれた中でスタディツアー(被災地見学)を行い、
いくつかのテーマについて討論を行います。
寿司や餃子を一緒に作ったり、文字の美しさを競う「文字書きリレー」など
高校生ならではの親しみやすいプログラムも企画されています。

鈴木さんは、今回の費用の大半を支援してくださる一人の篤志家に
そのすべてを負担していただくのは申し訳ない、
できるだけたくさんの人にこのプロジェクトのことを知ってもらい、
たくさんの人の協力を仰ぎたいと会場の参加者へ訴えました。


折り鶴とメッセージと

折り鶴とメッセージと

ここからは「ふるさと復興応援のつどい」終了後のお話です。

何度となく中止の危機も迎えたそうですが、
彼女たちの想いを支援してくださる篤志家の方々や企業によって
このプロジェクトは進み続けます。

彼女たちを見守り支える遠藤直哉先生は、
「生徒はどんどん成長していますし、日中友好に対して本気で取り組んでいます。
今回の生徒企画は、このご時世に、実にユニークで意義深いことだと思っていますので、
必ず成功させたいと思います。そして、来年以降、継続的に実施できるよう
私も尽力して参ります」と、
筑波へ向かわれる前にコメントをくださいました。

今回の事業自体にかかる費用は幸いなことに個人篤志家の方々による
寄付によってまかなえることとなり、
無事にその活動を終えられた旨、連絡をいただきました。
共に時間を過ごした上海の高校生も引率の先生方からも、
ぜひこの取り組みを継続させようとの声をいただいたということで、
今後の交流が楽しみです。

一人一人の力は小さいですが、それでも未来を担う若い世代の熱い想いを受けとめ、
支持しようとしている人間が世界中にいるということを、
どんな時代においてもできることはたくさんあるのだから
夢をあきらめないで欲しいということを、
彼女たちはもちろんのこと、たくさんの若者たちに知ってもらえたらと思います。


*Bridge for Fukushima
 http://bridgeforfukushima.org/

*福高生の福高生による福高生のためのブログ
 http://fukushimahighssh.blogspot.jp/

※以下の2校はいずれも日本の高等学校に相当します。
 中国では中学校のことを「初級中学」、高等学校のことを「高級中学」と区別し、
 「高校」は大学のことを指します。

*上海市大同中学
 http://dt.hpe.sh.cn/

*復旦大学附属中学
 http://www.fdfz.cn/


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