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中国:上海

イエン ヨウコ

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浙江省桐郷市にある香海禅寺

浙江省桐郷市にある香海禅寺

3月12日は「植樹節」。
これは1979年、第五回全国人民代表大会常務委員会第六回会議(長い!)にて
定められたもので、さらに1981年の第五回全国人民代表大会第四回会議において
「全国民義務植樹運動展開に関する決議」が可決され、毎年この植樹節前後に各地で
植樹活動が行われるようになりました。

また、昨年12月に開催された第67回国連総会が3月21日を「国際森林デー」と定めたことにより、
今年はより活動が活発に。

ここ、浙江省は桐郷市にある香海禅寺でも3月23日に植樹活動が行われました。


後ろに積まれているのは桜の苗木。1束は50本

後ろに積まれているのは桜の苗木。1束は50本

香海禅寺は1309年に設立された歴史のある寺院です。
約15年(三期)の月日をかけて行う再建計画に基づき、2004年から工事が進められており、
今年1月から緑化計画が中心の第三期(2013年-2019年)の工事が始まったばかり。
そこでここにみんなで木を植えることになりました。


苗木の植え方の説明を受けているところ

苗木の植え方の説明を受けているところ

今回の参加者は172名、桜の苗木を6000本植えます。
ちなみにこの苗木は1本につき5元(約75円)。
参加者は朝上海からバスでやって来ました。
到着するとさっそく植え方を教わり、いざ行かん!


これから苗木を植えます

これから苗木を植えます

この日はあいにくの雨模様。幸いにも植樹活動の最中は雨もやんでくれていましたが、
みんな靴が汚れないようにスーパーのレジ袋を靴カバーにして作業に入ります。
一人当たり35本の木を植えて行きます。日頃デスクワークに明け暮れている人たちも、
たまには童心にかえって土に触れるのはいいことです。


ご法話を聴聞中

ご法話を聴聞中

昼食後は皆でご法話を聴聞。椅子で生活する人たちには床に長時間座り続けるという行為がかなり苦痛。
それでも皆熱心な様子でした。

ところで、冒頭に書きました「植樹節」、どうして3月12日に制定されているのかという話について
少しお話しましょう。

1911年から1912年にかけて辛亥革命を起こした「国家の父」と呼ばれる孫中山(孫文)、
彼は早くから植林、造林の重要性を説いており、1894年の李鴻章(清代の政治家)への上申書でも、
早急な農学の発展と樹木栽培について訴えていました。
その彼が後の1915年に清明節を植樹節にしようとはたらきかけ、以後活動が行われるようになりました。
やがて1925年に孫中山はこの世を去り、1928年に彼を記念して命日である3月12日に改定します。

月日は流れ、中華人民共和国が成立するとその重要性が意識され、1979年再び3月12日を植樹節と
定めたのです。

この日は特に祝祭日となっているわけでもなく、中には知らない人もいるのが現実ですが、
条件が整っている地域においては、満11歳以上の健康な人は毎年3本から5本の木を植える
或いはそれに見合う労働量にて育苗する、もしくは管理保護などの緑化活動などを行うことが
義務づけられました。

ひとつの国といっても土地は広大ですので、地域ごとに異なる時期が植樹週間(月間)に
定められ、緑化意識を高める活動を行っています。

一度何かの文献で、せっかく外国人が植林活動に出向いても、その木がその役割を
果たさぬうちに伐採されてしまって全く役に立たないという話を読みました。
環境破壊や大気汚染の問題が深刻化している中、
国民一人一人の意識を高めていくことによって、
緑を守り、緑を増やすことが大きな課題だと言えそうです。


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タグ:中国,植樹,植林

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