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中国:上海

イエン ヨウコ

職業…書き描き屋

居住都市…上海市(中国)

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みんな大好き、紅焼肉(ホンシャオロウ)

みんな大好き、紅焼肉(ホンシャオロウ)

私が住む上海は、周辺の江蘇省や浙江省、安徽省などの料理の影響だけでなく、
さまざまな西洋の料理の影響を受けており、
「上海色拉(シャンハイ・スーラー)」と呼ばれる、
じゃがいも、ソーセージ、りんごをマヨネーズで和えたサラダ、
「羅宋湯(ルオソンタン)」と呼ばれるボルシチなどが古くからメニューにあります。
一般に中国の人は生のものを食べないと言われますが、
上海では、寿司や刺身、生野菜のサラダなどを食べる人の姿をよく見かけます。
どんな食材でもどんな調理法でも、どこの国の食べ物でも、美味しい!と思えば
どんどんメニューに取り入れていき、すでにあるものと融合させることが得意、
それは料理に限らず上海の特徴ともいえるかもしれません。

しかし、そんな中でも変わらぬものはたくさんあります。

その中でも「紅焼(ホンシャオ)」と呼ばれる、
醤油を中心にした調味料で味付けをして煮込む調理法、
これは上海の料理では定番中の定番です。
老若男女を問わずみんなが大好きな味付けです。「紅」は醤油の色をさします。
基本的には醤油と砂糖の甘辛い味付けが基本となります。
用いる食材やあわせる他の調味料との加減でその甘さの程度はさまざまですが、
皆さんもよくご存知の豚の角煮「紅焼肉(ホンシャオロウ)」は
その代表格とも言えるでしょう。


生抽(ションチョウ)と老抽(ラオチョウ)

生抽(ションチョウ)と老抽(ラオチョウ)

さてその醤油、中国語で書かれたレシピや、スーパーの醤油売り場を見ると、
ラベルに「醤油」ではなく、「生抽(ションチョウ)」「老抽(ラオチョウ)」と
書かれてあるものがほとんどであることに気づきます。

「生抽」は、色は日本の濃口醤油のようで、
味は薄口醤油のようにやや塩分の強い味のする醤油。
舐めてみると、ちょっととがった味がするなと感じます。
大豆、小麦、麹、塩、水を混ぜて発酵熟成させます。
なぜかこれらの材料のみで作られた生抽を手に入れるのは難しくて、
白砂糖や甘味料が含まれているものが多く、
中にはうま味調味料を加えたものなどもたくさんあります。
一般に販売されているものの多くは醸造期間が大変短いようで、
中には六ヶ月醸造させたということを売り文句にしている製品もあります。

一方の「老抽」は、生抽にカラメルを加え、濃い色をつけた醤油で、
味付けのためではなく、主に色づけのために用います。
生抽に比べれば少し粘り気があります。塩辛さはありません。


醤油と砂糖で煮しめた味がたまらない、烤麸(カオフー)

醤油と砂糖で煮しめた味がたまらない、烤麸(カオフー)

上の写真のスポンジのようなものは、
「烤麸(カオフー)」と呼ばれるグルテンでできた食べ物。
キクラゲやしいたけ、落花生などと一緒に炒め煮にしたものは前菜の定番料理。
この茶色は老抽の色で、お店で食べると砂糖がかなり入っています。


熏魚(シュンユィー)、新年には欠かせない

熏魚(シュンユィー)、新年には欠かせない

こちらは、「熏魚(シュンユィー)」と呼ばれる料理で、
これもまた前菜の定番料理であり、新年を迎える際にも欠かせません。
江蘇省や上海、浙江省などの一帯で好んで食されています。
魚は淡水魚でコイ科のソウギョやチンユィーなどが用いられます。
味付けのための醤油は生抽の場合もありますし、老抽の場合もあります。
いずれの場合もやはり砂糖が入りますが、その量はまちまちです。

「紅焼」にするのは肉や魚だけではありません。
茄子を使った「紅焼茄子(ホンシャオ・チエズ)」、
じゃがいもを使った「紅焼土豆(ホンシャオ・トゥードウ)」、
椎茸を使った「紅焼香菇(ホンシャオ・シャングゥ)」など野菜料理も豊富です。
でも、いくらみんなが好きな味付けだからといって
調子にのってみんな「紅焼」にしてしまうと、
食卓が茶色一色になってしまうので要注意、ですね。

ごはんのすすむ「紅焼」は家庭でもレストランでも人気者。
今日もあちこちの食卓に「紅焼」料理がのぼることでしょう。



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