台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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3月24日早朝に配られた号外

3月24日早朝に配られた号外

 先に、3月30日に行われた抗議集会の様子を紹介しましたが、今回はその背景に迫ってみたいと思います。

 3月18日に始まった学生たちの立法院(国会議事堂に相当)占拠は、23日から24日早朝にかけて一部の抗議活動参加者が近くの行政院(内閣に相当)に押しかけ、中の物を盗むなどの行為に発展。警察が事態の収束に動きましたが、その際の様子が上の写真のアップルデイリーの号外、翌25日の朝刊に掲載されました。

 それを機に、馬英九(マー・インジョウ)総統をはじめとする権力者の横暴として、学生側の態度がさらに硬化し、30日の集会につながっていきました。


3月24日午前の総統府前

3月24日午前の総統府前

 行政院の侵攻を受け、24日午前からは総統府前の警備がさらに厳しくなり、上の写真のようにバリケードが設けられましたが、このバリケードも行政院ではあっさり破られてしまったので、脚の部分がボルトで固定してあります。

 バリケードは、奥に見える台北市立第一女子高級中學まで延びていて、学校訪問の際はバリケード前で警備する警察官の許可をもらわないと中に入れない状態になりました。


差し入れされた水など

差し入れされた水など

 今回の学生運動は長期化していますが、その最大の要因となっているのは食糧などの物資が絶えず立法院前に届けられること。私が見に行ったときには、軽トラックの荷台いっぱいに積み込まれた西瓜が届けられていました。


医大生らも参加者たちを支えます

医大生らも参加者たちを支えます

 医大生(中には本物の医者も)も常駐し、参加者たちの体調を支えていることから、「馬英九総統側が持久戦を仕掛けてきても負けないぞ!」という雰囲気をしっかりつくり上げています。


学生たちが自主発行した新聞。緊急発行したことで、2面以降は白紙です

学生たちが自主発行した新聞。緊急発行したことで、2面以降は白紙です

 単純に報道を見ると、学生運動のリーダーたちが心なしかヒーローのように見え、彼らが対峙している馬英九総統らが悪者のように見えるので、争点、本質といったものがぼやけ、分からなくなるような錯覚に陥ります。
 
 ・現在係争中の中国と台湾の経済協定にはどんな利点と欠点があるのか?
 ・議場を占拠して自己主張をしている学生たちの功罪は?
 ・声を上げていない普通の台湾の人たちの本音は?
 
 この辺りをしっかり見極め、分析し、判断しないと、今回の学生運動の本質は見えてこないと思います。


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