大阪と上海をツナグ、中日大学生藝術交流展
2015.04.02 up
中日大学生藝術交流展の看板
大阪市と上海市は1974年から、大阪府と上海市は1980年からそれぞれ友好都市関係にあります。今年の2月に一時帰国した際、大阪市立大学のOB会の方から「3月にこんなんあるから」と紹介していただき、上海市は宝山区にある上海大学図書館へ行って来ました。
大阪市立大学、大阪府立大学、上海大学の3大学の学生による芸術交流展です。
大阪市立大学と上海大学は2003年に学術交流関係を結んでいる関係です。
3大学の学生の作品展示[1]
今回の展覧会は、大阪市立大学のOBの方々の中で「上海で交流展をやってみてはどうか」という話が持ち上がり、美術部である青桃会のOBの方が学生たちのサポートをするという形で実現しました。
大阪市立大学美術部の青桃会、大阪府立大学美術部の翠陵会、そして上海大学社区学院と書鏡山房書法社の作品が並びます。
開催実現へ向けてのサポートの中心となったのは、17年間中国現地法人の総経理を務めてこられた青桃会OBの原田利明さん。上海での豊富な経験と、人を育てることの大切さを、美術をきっかけとした交流によって次世代を担う若者たちに伝えていきたい、学んでもらいたいという想いがそこにありました。
3大学の学生の作品展示[2]
近年、日中関係に関する報道に明るい話はとても少なく、何かが起こるたびに溝が深まっていく不安がありますが、実際の人と人との関係において本当にその溝が存在するのか。次世代を担う若者たちの交流を促すことで、真実はどこにあるのか、自身が肌で感じたものは何なのか、大人たちが作り上げた「壁」は「本当に存在する壁」なのかを知ってもらい、友好を深めてもらいたい。日中の学生にまず体験してもらいたいことは、そんなことだったのではないでしょうか。
3大学の学生の作品展示[3]
交流展開催にあたっては、学生はお客様ではなく主体であること。原田さんはそれを最も大切に考え、開催準備のミーティングは日中の学生同士でのやりとりとされました。大人の指示があればきちんと動けるけれど……という受け身の体質の打破、本来学生たちが持っている力を学生たち自身が存分に引き出し動いていく、という形に導いていくことにはご苦労もあったようです。学生たちにしても、日中間で異なる言語や文化、習慣の違いなどに戸惑うことも少なくはなかったでしょう。
それでもミーティングを重ねることで交流を深め、今日のこの日を迎えることとなりました。
左:「福田デンタルクリニック賞」受賞作品 右:「吉野ゴム工業株式会社賞」受賞作品
大阪からの学生たちが上海に滞在する時間はごくわずか。しかし、その中で得たものはきっと少なくないでしょう。それらが芽吹き、青々とした葉をたたえ、裾野の広い繋がりへと広がっていくことを願ってやみません。
第2回、3回と交流展が続いていくといいですね。
最後の写真の作品は、それぞれ日本と中国からの作品を一点ずつ選んだもので、左側、中国の「福田デンタルクリニック賞」を受賞した青桃会(卒業生)の高辺麻未さんの作品『Inle Lake』は、上海大学に寄贈されることが決まりました。
*上海大学
http://en.shu.edu.cn/
*大阪市立大学
http://www.osaka-cu.ac.jp/
*大阪府立大学
http://www.osakafu-u.ac.jp/
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