クマの安楽死を拒否した職員の処分に集まる非難
2015.07.21 up
ハイキング中、クマに遭遇
大自然で知られているカナダでは、クマやクーガーといった、いわゆる「危険な」動物と遭遇することは珍しいことではありません。
ハイキングに出かけると、「クマの目撃情報があったので、出くわしたとき、背中を見せて逃げないように」など、野生動物を取り締まる職員に注意を受けることも茶飯事です。山に近いところに住んでいる人は、クマが漁られないように、鍵付きの立派なゴミ箱を使用しています。
鍵のついたゴミ箱
それでも同じクマが何度も住宅地などで目撃されると、人間に対する脅威とみなされ、捕獲、そして殺処分が行われているようです。この殺処分を行うようにという上司からの指示に従わなかった野生動物保護局の職員が、無給での停職処分を受けたとして、大きな話題となっています。
懲戒処分を受けたのは、バンクーバーの西にあるバンクーバー島の小さい街、ポートハーディの職員、ブライス・カサバント(Bryce Casavant)さん。カサバントさんが処分するように指示を受けたのは、お母さんクマと一緒にトレーラーホームの冷蔵庫を2度以上襲ったとされている、生後8週間とみられている兄弟クマたち。お母さんクマは既に殺されています。2頭は母親を探して、お母さんが殺されたトレーラーホームの敷地に戻ってきたところを捕えられました。
カサバントさんの上司は、コグマたちは既にゴミ箱を漁っていたことから、今後、人間への脅威となるとみなして、カサバントさんに殺処分の指示を行ったといいます。一方、カサバントさんは、コグマたちがゴミ箱を漁っていた形跡はなかったと主張しています。
インターネットでは、カサバントさんへの処分の撤回を求める署名運動も行われていて、7月15日の時点で約22万8000人の署名が集まっています。
署名運動のサイト
カサバントさんの上司の指示が適切だったかはともかくとして、組織で上司の指示に従わなかった職員に対して、署名が多数集まったからといって、処分なしというわけにするのもおかしいのではないでしょうか。今後の動きが気になります。
実際問題として、クマに襲われて大けがをしたり、命を落とす人もいるわけですしね。自然に恵まれている土地柄だけに、うまく共存していけたらと思います。
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1 - Comments
わたらいより:
2015 年 07 月 21 日 22:50:49
“子グマは殺せない”。やはり、海外でも似た様な話があるんですね・・・。
もう9年も前になるけれど、帯広市内の動物病院でそういう事があり、持ち込まれた子グマの処分を巡って一騒動ありました。今では、その子グマたちはすっかり大きくなって上野動物園で展示されていますが、公務員の方達の間でも殺す殺さないで、色々主義主張はあった様です。
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