台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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準決勝に勝利して喜ぶ佛光大學の選手たち

準決勝に勝利して喜ぶ佛光大學の選手たち

 前回も触れましたが、今年のUBAで一番の大番狂わせは、女子で4連覇中の中國文化大學が決勝トーナメントに進出できず敗退したこと。今年決勝トーナメントに進出した4チームは、その中國文化大學に予選(もしくは決定戦)で勝利したチームでした。

 そのため本命不在という感じでしたが、優勝候補をあげるとしたら、全勝で予選1位として勝ち上がってきた台北市立大學が本命でした。

 その台北市立大學が、中國文化大學との決定戦に勝利して上がってきた世新大學に49ー51で敗れる波乱があり、2位の佛光大學も國立台湾師範大學に62ー61で薄氷を踏む思いで勝利する、という見ている側には面白くても、やっている側にはハラハラドキドキ、胃が痛くなるような試合展開になり、改めて「本命不在」が浮き彫りとなりました。


決勝前の選手入場

決勝前の選手入場

 決勝は、2度目の佛光大學と初めての世新大學の対戦。
 試合前のアップ時から照明が落とされ、入場時はライトアップによる演出もありました。


MVP、新人王、最多アシストを同時受賞の陳孟欣(チェン・モンシン)

MVP、新人王、最多アシストを同時受賞の陳孟欣(チェン・モンシン)

 試合は、序盤競り合いになり、第1クウォーターは19ー17となりますが、その後は佛光大學が世新大學の要注意選手を徹底的にマークして抑えたこともあり、徐々に点差が開き、最後は73ー54で勝利し初優勝を果たしました。


訪れた歓喜の瞬間

訪れた歓喜の瞬間

 初めての優勝ということもあってか、選手たちの感情が爆発しただけでなく、2015年からコーチを務めている傅姿伶(フー・ズーリン)ヘッドコーチ(以下、HC)も涙、涙、涙でした。

 傅姿伶HCは、2015年から佛光大學で指導を行っていますが、その間、決勝トーナメントには進出するものの、「中國文化大學」という高い壁にずっと阻まれていた感があり、決勝にすら上がれませんでした。


選手たちに囲まれ、涙する傅姿伶HC

選手たちに囲まれ、涙する傅姿伶HC

 前年も決勝トーナメントに進出したものの、台北市立大學、世新大學に敗れ、4位でした。その時に、ベンチ前で選手に大声で檄を飛ばす傅姿伶HCの険しい表情がずっと忘れられませんでした。
 今年は、檄は飛ばすものの、表情は比較的穏やかで、選手たちの成長に手応えを掴み、信頼を寄せている感じでした。

 選手を見ると、その成長を象徴していたのが、3枚目の写真に出てきた陳孟欣。
 1年生ながら、普門高級中學時代にHBLを2連覇してきた経験を発揮してポイントガードとして先発メンバーに入り、決勝では序盤パスミスなどが目立ったものの、徐々に修正し、自らも積極的に3ポイントシュートを決めるなど、オフェンス面での健闘が光りました。
 高校時代は、伸び悩み、思うようにプレーできないこともあったようで、キャプテンになった3年時に2連覇を達成した時は、人目をはばからず涙を流していました。
 
 その苦しんだ経験が、大学1年で一気に花開いた格好となりましたが、優勝決定時は高校時代のような涙は見られず、終始笑顔でした。


 試合後、傅姿伶HCと二人の息子さんが抱き合う姿を見かけましたが、この時は完全に母親の顔になり、報道陣のカメラの前では見せなかったような涙と表情を見せていました。息子さんたちも、お母さんの姿を頼もしく、かっこよく映ったようで、私の前では誇らしげな表情を見せいていました。

 2010年に高校バスケから指導者としてキャリアを積み上げ、大学でついに優勝を果たした傅姿伶HC。当時小学生だった息子さんも成長し、今は高校生と中学生。立ち振る舞いにも、落ち着きが見られ、子供扱いするのが失礼なくらいでした。
 時の流れの速さを感じると同時に、息子さんの成長に合わせるかのように指導者として成長していった傅姿伶HCの姿は、ものすごく大きく見え、私個人忘れられないものになりました。


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