メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 日本に届くメキシコのニュースといえば、ギャングや組織の麻薬抗争。いいイメージがありません。
 私の住んでいる地域は平穏でさほど危険を感じてはいませんが、メキシコ国内でも集中的に治安が悪化し、武器、銃器を使った犯罪が増えている場所があるのも事実です。

 メキシコではいろいろな制約とランクがありますが、身分証明書の提示で一般市民でも銃器の購入と保持ができます。また、ブラックマーケットでの売買も、法律では禁止されていますが行われていることは事実です。それでも、一般市民の銃器保持率はお隣のアメリカ合衆国よりはかなり低いようです。


市役所入口の交換所

市役所入口の交換所

 地域の安全対策、治安向上のため、メキシコ政府は毎年「御宅の銃器を家電と交換します」キャンペーンを行なっています。
 7~8月の間、市町村役場の入り口に軍隊がテーブルを広げ、家電や自転車などをずらっと並べ、市民の関心を募っていました。
 
 銃器の種類、市場価格によって交換できる家電製品は異なるものの、アイロン、ミキサー、電子レンジ、パネルテレビ、自転車、タブレットやラップトップPCなど、すぐに生活に役立つものばかり。もしくはそれ相当の現金との交換も可能です。

 「銃器はどんなものであろうと受け取りますし、持ってきた市民の素性や身元、何にどう使ったかなどを調べることもしません。持ってきてくだされば交換しますし、それが理由で持ち主が問われることはありません。」と、この交換所を担当していたコボス軍曹は言っています。


必需品の家電製品がずらりと並んでいます

必需品の家電製品がずらりと並んでいます

 彼らの今回の任務のたった一つの目的は、一般市民の生活から武器銃器を減らすこと。
 政府がホームページで発表している「受け取り、交換件数」によると、2013年には6142件にのぼった交換件数は2018年には1022件*と激減しています。
 この数値が市民生活の治安向上を意味しているかどうか。

 交換所に持ち込まれた武器銃器はその後どうなるか。
 持ち込んだ市民の目の前で、軍隊の訓練を受けた兵士の手によって使用不可能となるように破壊されます。これも、受け取った軍隊が流用、悪用しないために市民の目の前で行うということでしょう。

 *統計値はメキシコ州のもの




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