ヨーロッパでは再び新型コロナ感染者が増え、それに加えて新たなオミクロン株の欧州到来もあり、１年前の状況へ戻ってしまったかのようです。

　このような危機的状況から、それまでやや消極的だったスイス政府も、新型コロナに対する３度目の追加接種を、ファイザー製とモデルナ製共にゴーサインを出しました。２回目の接種から既に半年経っている人は、年齢に関わらず接種登録ができるのだとか（とはいえ接種の順番は、高齢者と慢性疾患のある人が優先）。

　そんな新型コロナ禍で、２回目のクリスマスを迎えることになりそうなスイス。
　
　人出が非常に多くなる１２月に向け、１１月下旬からスイス各地でもクリスマスマーケットが始まりました。今年もやむなく中止となったマーケットもありますが、規模が比較的大きな都市では、それぞれ新型コロナ感染予防対策を十分とりながらの開催となりました。

　とはいえ、クリスマスマーケットによって予防対策がまちまちなため、それぞれのマーケットの情報を前もってチェックしていたのですが、それでも全般的に取られている感染予防対策は、

・クリスマスマーケットの入り口で、新型コロナ証明書（Covid certificate)と身分証明を提示
・屋台での支払いは、キャッシュレスで（カードなどで支払う）

といったパターンが多そうでした。

　ただその一方で、逆に『新型コロナ証明ナシＯＫ！マスク着用ナシＯＫ！屋台での支払いは現金でもＯＫ!』という、かなり自由なクリスマスマーケットもあります。おそらく、人の混雑ぶりが激しかったり、食べ物系の屋台が多い場所では証明書提示義務やカードでの支払いのみ、といった対策がとられているのかな、と思いました。

　日が明るい日中は、子どもたちなど家族連れの姿が多くみられましたが、ライトアップがきれいな夕方から夜には、更に多くの人々がクリスマスマーケットを訪れます。そして屋外とはいえ、マスク着用なしで、ホットワインを飲んだり食べ物を口にほおばりながら人混みの中を歩くことになるので、感染の不安などないのだろうか、と思ってしまいます。

　スイスなど欧州の国々では、頭打ちになったワクチン接種率を少しでも上げることが課題となっていますが、筆者の周りでは、ワクチン接種済みの人・未接種の人関わらず「ワクチンを打っているから安全」「屋外で換気が良いからマスク着用しなくても大丈夫」「自分は普段風邪もひかないぐらい健康だから平気」…など過信する人が多いです。

　もしかすると、こういった個々人の感染予防や衛生意識の違いが、ワクチン接種率以上に影響を及ぼしているのかもしれないな、と思ったのでした。

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