ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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サンパウロ市の一般的なコーヒーショップ

サンパウロ市の一般的なコーヒーショップ

 ブラジルは世界一のコーヒー生産国だ。世界全体の約30%を占め、栽培農地には約60億本の木があるという。今年、5~8月の生育期に3カ月ほど干天が続いたことで、コーヒー価格が値上がり始めている。

 ブラジル地理統計院の調べによると、10月までの過去1年間の国内インフレ率は10・67%に達した。今月初めには原油価格高騰でレギュラーガソリンが平均1・6レアルから6・60レアル(1レアル約20円)へ。その影響で食品類も上昇してきた。もちろん、庶民の嗜好(しこう)品として欠かせないコーヒーも例外ではない。


 サンパウロ市の中心街に設置された「ジャパンハウス」を久しぶりに訪問した。モダンな造りの一階にコーヒーショップがある。一杯12レアル(約250円)。一般の立ち飲み店は6レアル前後だから、倍の値段。「ブラックで飲む客が多い」(従業員)という。1杯の価格は当分、据え置きのよう。


サンパウロ市のジャパンハウス内のコーヒーショップ

サンパウロ市のジャパンハウス内のコーヒーショップ

 そこから近い、コーヒーを主にしたレストランへ行った。「(食品が)何でも上がってきた。来月から6レアルから8レアルにする」と話す。

 自宅近くの裏通りにある小さな食品雑貨販売店。粗挽き粉末コーヒー真空パックは500グラム入りで29・80レアル(日本円で約600円)。「常連客が多いので値段はまだそのまま。でも、仕入れが高くなってくれば上げなきゃやっていけない」(店主)。


 筆者はコーヒー党である。自宅では愛用の“コーヒーメーカー”で濃い目に作り、熱湯を少し注ぎ込み薄めて飲む。砂糖やミルク、蜂蜜などは入れない。独特の香りが部屋中に広がり、心が静まる至福の時だ。


 日本人のお茶と同様、ブラジル国民にとってコーヒーは日常生活で欠かせない。コーヒーに始まってコーヒーで一日が終わる。過去、スパーインフレを何度も経験した国民、値段は上がるものと思っている節がある。価格が上昇しても、飲む回数が急減することはなかろう。


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タグ:サンパウロ

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