ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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 地球の反対側ブラジルにおける日本移民の歴史は1908年の第一回移民船「笠戸丸」に始まる。以来、約26万人が移住、すでに5世も誕生し合計推定数は約200万人にも上る。ちなみに、北海道からの移民数は16,261人で全国4位。日本語と日本文化は代々受け継がれ、非日系へも広がっているのは頼もしい。

 現在、ブラジルにおける日本語学校は約350校、学習生徒2万2千人、日本語教師900人といわれている。毎年2回行われる日本語能力試験受験者数は約4千人で、昨年ついに非日系が日系人を超えた。それだけ日本語に対する関心がブラジル社会へも深まっている証左だ。しかし、3年続いたコロナ禍による影響はこの国の日本語教育界へも多大の影響を及ぼした。


 日本語教師の育成を目指す「ブラジル日本語センター」がサンパウロ市にある。事務局に勤める唯一の非日系のミレーナ・サントスさん(24)は、「日本語に興味を持ったのはアニメを見てから。その後、日本語を習い始め日本文化への関心が深まった」と話す。きっかけは様々だろうが、そこから思いが日本語学習へ広がればいい。


 日本文化に理解があるブラジル人の中には、ブラジルの文化にはない思いやり、気遣い、静かなおもてなしなどに引かれる人も多い。それとは逆に、ブラジル人は全身を駆使してジェスチャーで会話したりする。それはそれでにぎやかで明るさに満ちてはいても、中には受け付けない人もいるのだ。

 同センターでは、コロナ禍が一段落した今年に入り本格的に活動を再開し始めた。ブラジルを始め南米各国の教師の研修、学習生徒の懇親会、日本語学校の実態調査などを行う予定だ。日本移民や日系ブラジル人の努力で広がった日本の文化。これからも若い世代に根付き、この国の社会へ貢献できることを期待したい。




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