スイス

スイス:フリブール

小島 瑞生(こじま みずき)

職業…公務員
居住都市…フリブール(スイス)

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コロナ禍だろうが我関せず、と言わんばかりのマッターホルン

コロナ禍だろうが我関せず、と言わんばかりのマッターホルン

 新型コロナ禍での2回目の夏が到来している現在、スイスや他のヨーロッパの国々では、飲食業店が再開したり、ワクチン接種が進んだり、自由に旅行がしやすくなるCovidー19証明書やアプリができたり、とコロナ以前の生活に戻るべく奮闘中ですが、観光業は相変わらず苦難を強いられている印象があります。

 いつもの夏なら、世界中からの観光客を大勢迎えるスイスですが、2度目の夏も去年に引き続き、近隣ヨーロッパの国々(ドイツ、フランス、イタリアなど)からの観光客、そして自国の観光客に期待するしかない状況のよう。


ブティックなどが立ち並ぶ、駅前のバーンホフ通りもやや静か

ブティックなどが立ち並ぶ、駅前のバーンホフ通りもやや静か

 スイスなど、日本に門戸を開き、観光目的での入国が可能となったヨーロッパの国々も出てきてはいるものの、旅行前に高額な英語の陰性証明を取らねばならなかったり、また無事にヨーロッパ旅行から日本へ帰国しても、日本では欧州のほとんどの国が『レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)』扱いとなっているため、帰国後2週間ほど隔離や自宅待機が必要となっています(2021年6月30日現在)。

 日本とヨーロッパ間の、観光旅行といった自由な行き来が実現するのは、まだもう少し先の話となりそうですね――。


通常人出が多い教会前の広場も、閑散としていました

通常人出が多い教会前の広場も、閑散としていました

 さて、そんな2度目のコロナの夏を迎え、日本など海外からの観光客に人気のツェルマット(Zermatt)に数日滞在しました。今まで何度かかの地を訪れたことはありますが、その時はスキーシーズンだったり、夏休み期間だったりしたこともあり、観光客で非常ににぎやかでした。

 ツェルマットはドイツ語圏の地域にあるにもかかわらず、通りを歩いていると主に聞こえてきたのは英語か日本語…といった面白い状況だったように記憶しています。


ヒンタードルフ(Hinterdorf)にて。16〜18世紀に建てられた木造の古い家屋や納屋、貯蔵庫などが立ち並び、昔にタイムトリップしたよう。

ヒンタードルフ(Hinterdorf)にて。16〜18世紀に建てられた木造の古い家屋や納屋、貯蔵庫などが立ち並び、昔にタイムトリップしたよう。

 我が家からツェルマットまでは車で2時間ほどですが、ツェルマットへは環境への配慮から、ガソリン車の乗り入れができません。そのため近くのテーシュ(Täsch)という町に駐車し、そこから電車に乗り換えることに。

 電車に十数分揺られた後、ツェルマット駅に到着。

 スキーシーズンが終わった春ごろから、夏休みが始まる前の5~6月ごろはやや静かなオフシーズンとなるので、この間に改築・修理を行ったりする宿泊施設もあります。

 今回滞在したのも6月だったのと、コロナ禍で海外からの観光客が来られないこともあり、人の姿はあまりなく静かな雰囲気でしたが、その一方で、店やカフェ、ホテルなどが並ぶ通りを歩くと、あちらこちらで工事をしていて、ドドドドド…というドリルの音やパワーショベルなどの重機の音が終日聞こえていました。

 臨時休業になっているホテルや店も見かけました。ヨーロッパ内の他国から訪れる観光客は結構いますが、いわゆる“ばらまき土産”などを大量に買う人はあまりいないため、ブティックや土産店などの店内はひっそりと静まり返り、開店休業状態。にぎわっていたのは、スーパーマーケットぐらいだったかもしれません。


ツェルマットの地ビール。小さなビール醸造所がツェルマット駅近くにあります。

ツェルマットの地ビール。小さなビール醸造所がツェルマット駅近くにあります。

 7月からスイスは本格的に夏のバカンスシーズンとなります。海外旅行好きが多いこの国も、感染予防に関する各国の規制の複雑さに頭を抱えつつ、何とかしてコロナ禍2度目の夏休みを謳歌しようとする人は多くなりそうです。


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