ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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6月19日にサンパウロ市で行われたデモ(TVグローボテレビ中継サイトから)

6月19日にサンパウロ市で行われたデモ(TVグローボテレビ中継サイトから)

 新型コロナウイルスによる死者は7月1日現在、累計52万人を突破した。感染者は2000万人の大台に近づいている。この調子で増え続ければ、米国やインドを抜き世界最多の国になるかもしれない。


 ブラジルでのワクチン接種開始は早かったものの、6月末現在、まだ全国民の20%ほどだ。保健省では大臣とボルソナーロ大統領との意見が対立。1年半の間に数人が入れ替わり、対策は一向に進まない。また、今年の諸外国からブラジルへの投資は前年比26%も減少、経済界への影響も甚大だ。


 6月19日、全国26州の約400都市で、現政権のコロナ感染対策不備を非難するデモが行われた。南米最大都市のサンパウロ市の中心街パウリスタ大通りは市民で埋まった。横断幕には「(国民は)いつまで死ねばいいのか」「これは大量虐殺だ」などの文字が書かれ、テレビ中継はもちろん、翌日の有力各紙がトップニュースで報道した。

 ボルソナーロ大統領の不可解な言動は、感染発生時から問題になっていた。マスクは効果がない、これはただの風邪、集団感染はワクチンよりも効くなどと放言連発。さらに、サッカー南米選手権を強行してクラスターが発生、約140人の選手・関係者が感染した。サンパウロ州では州令でマスク着用が義務付けられており、大統領が同州滞在中に不使用だったため罰金を課せられている。


 新型コロナ禍は日系社会にも及んだ。日本語学校の教師や家族・関係者数人が死亡。5月に日系の有力実業家、6月には長年、サンパウロ州議員だった日系政治家が治療のかいなくこの世を去った。両氏とも80歳を超えていたが、元気で親しかったので残念でならない。友人の訃報を聞くたびに気がめいる。


 個人的には外出を控える日が続く。貧困、中流、富裕層混交のブラジル国内事情。どこにコロナ菌が潜んでいるか分からないのだ。


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