ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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 ロシアがウクライナへ侵攻し今、世界中の人々の目が両国へ釘付けになっている。ブラジルは先住民と世界の国々からの移民によってできた国である。ウクライナ移民の子孫も暮らしており関心が高い。


 ウクライナ人の最初の移住は1896年で第一回日本移民より12年前のこと。それ以後、現在までのウクライナ系人口総数は約35万人で、日本移民同様4、5世も誕生している。ちなみに、日系人総数は推計200万人。

 ウクライナ系人が多く住むのはサンパウロ州の隣州パラナのプルデントーポリスという人口約5万人の小さな市。同市の75%の3万8千人ほどが同国系で、残念ながら筆者はこの町を訪れたことがなくウクライナ系の友人もいない。


ワールドカップ開催時の様子

ワールドカップ開催時の様子

 ウクライナ移民の子孫は先祖からの文化を受け継ぎ、民族舞踊や卵の殻に動物や花の色彩豊かな絵を描く民芸品、また、料理紹介やウクライナ語を教えるなど独自の伝承活動をしているのだろう。日系人社会では現在も盆踊り大会や焼きそば、寿司などの日本食の即売会も催し日本文化が息づいている。今日、世界各国移民の文化がブラジル社会に受け入れられ定着したのは良いことだ。


 当地のテレビニュースによると、ロシアの爆撃で幼い子供も犠牲になったという。避難中の母親に抱かれ、事情を知らない無邪気な幼児の笑顔に目頭が熱くなる。今月10日、ブラジル人43人、ウクライナ人19人、アルゼンチン人5人、コロンビア人1人(その内14人は子供)搭乗のブラジル空軍機が首都ブラジリアに無事着きほっとした。

 第二次世界大戦終結は1945年9月で筆者は当時2歳。それから今日までの平和な中、思いどおりに生きて来られた。ブラジル在住のウクライナ系人と共に一刻も早い終息を願うばかりだ。死者が出るような国家間の争いは、絶対にあってはならない。



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