ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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 戦争とは、自己利益のために国家間が武力をもって争う行為だ。国際社会全体を考えない力による戦いを決して許してはならない。ロシアのウクライナへの軍事侵攻が今も終わらない中、幼子も犠牲になっているという。

 過去、ブラジルは隣国と戦った歴史がある。1870年3月終結の「パラグアイ戦争」で勝利した後、150年以上も他国との武力衝突は一度もなく平和が続く。ブラジルへの移民はヨーロッパ諸国系が多い。その子孫がブラジル国民となった人たちも刻々と変化する国際情勢へ関心が向く。この1か月余りの間、当地のマスコミも東ヨーロッパの戦況を大々的に連日報道している。


 第二次世界大戦では連合国側のブラジルと枢軸国の日本が敵国になったため、日本移民は差別を受けた。ブラジル生まれで国籍はブラジル人でありながら、学校や職場ではいじめに遭う。日本語での会話は禁止され集会も開けず戦中を挟む数年間、日本移民はつらい思いの日々を送った。

 しかし、両国が遠距離で直接戦火を交えられなかったのは幸いだった。終戦後は実直で謙虚、寛容、思いやりの姿勢がブラジル国民に受け入れられ、尊敬すらされた。これひとえに日本移民が地味ながら努力を重ねた結果だ。


 所用があってサンパウロ市の東洋街へ出かけた。大阪市とサンパウロ市の姉妹都市提携を記念して造られた陸橋“大阪橋”の上で、長椅子に座っていたのは幼子と母親。今、東ヨーロッパで起こっている戦争についてどう思うか聞いた。本人の希望で名前は聞けなかったが、「ブラジルは治安には問題あるけど戦争がないのは素晴らしい。子供は私の宝です」。

 ウクライナでの戦禍で我が子だけが生き残ったことを考え、母親が背中に連絡先を書いたというニュースを見て思わず目頭が熱くなった。平和が続くブラジルでは考えられない話だ。




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