電動自転車が人気のオランダ。特に６０歳以上のシニア世代にとって欠かせない「足」としての電動自動車ですが、実は盗難件数が爆発的に増加中です。
　
　オランダの国家警察は昨年１年間、全国で２万２５９３件の盗難被害報告を記録。これは盗難された普通自動車数の４倍以上だそうです。実に電動自転車の盗難数は２年前と比較して２５％も増加したということです。

　しかし、シニア世代のみならず電動自転車は最近、年齢問わず静かなブームを呼ぶ存在になっています。その理由は当然のことながら、そのスピード（速度）と利便性にあります。

　電動自転車は決して安いものではありません。平均して３０００ユーロ（約４７万円）ほどです。しかし、 自動車のように道路税を支払う必要はありませんし、運転免許証も必要ありません。電動自転車の盗難保険は月額約５ユーロ（約８００円）程度ですみます。自動車と比較すればはるかに安上がりなのです。

ちなみに盗難保険（保障）は３種に分かれています。盗難補償、破損補償、故障補償です。盗難が発生した場合、保険会社は保証要請に必須な要件を設定しています。たとえば、保険会社指定の鍵（ロック）を使用すること、盗難に遭った場合はすみやかに警察に届け出なければならない、等です。

　しかし、盗難を防ぐことは非常に困難です。鍵（ロック）が常に解決策になるとは限りません。自転車泥棒は、鍵の開け方の「専門家」ともいえるべきテクニックを持っているからです。たとえばソーシャルメディアプラットフォームのＴｉｋＴｏｋには、鍵を簡単に開ける方法に関するビデオさえあります。

　これらに対処するためには、複数の鍵（ロック）を使用することだそうです。多くの自転車泥棒は数種類の鍵（ロック）を短時間ですべて開けることはできません。複数の鍵をかけておけば盗難時に開けようと試みる際に遅延が発生します。
　
　また、目が届くような場所に駐輪することも大切です。通行人が頻繁に歩いている場所、もしくは多少、交通量の多い場所に駐輪するといいそうです。

　盗まれた自転車は、それではどこへ行くのか？というと、その背後には国際盗難組織がいるといわれています。彼らはオランダまで足を伸ばし、鍵がついたままの電動自転車を小型トラックに大量に積み込み、別の国に運んで転売する事に長けているそうです。警察や保険会社による、効果的な盗難防止対策がなされるのはいつになるのでしょうか。

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