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オランダには、理想の家庭を表現するクリシェ(決まり文句)があります。それは、Huisje,boompje,Beestje(ハウシェ、ボーンピィエ、ベースチェ=持ち家、庭、ペット)という至って質素なもので、彼らの質素な幸福観を端的に示唆しているといえます。小国オランダでは住宅難がつきものですが、それなりに頑張って働けば、環境のよい場所に庭付き一戸建ての家が持てるという夢を多くの人が持っており、持ち家の庭に木や花を植え、自ら作り上げた自然を愛で、家族の一員としての犬やネコを飼う…オランダ人の理想的な環境とは、この程度のものといえるでしょう。しかし、2年前から継続中のインフレでこの質素な理想さえもが、残念ながら夢に終わってしまう傾向すらあります。

一旗揚げるために、近隣諸国に移住するオランダ人も増えた
オランダにはまた、「2フォディーナース」というステイタスがあり、これは、1世帯に2つの収入源を持つ家庭のことを指します。社会の中間層を形成するこの人たちが、今回のインフレで最も打撃を被る形となったのは皮肉です。
相方の一人が失職すれば、収入の減少は当然。共働きの夫婦のどちらか一方、または両方が家にとどまることになり、生活リズムが完全に狂ってしまうからです。それに追い討ちをかけるように、持ち家を手放さねばならなくなり、その上生活保障の給付が受けられるかも不透明、と悪条件が重なった挙句、離婚や家庭崩壊に到るケースも増えています。

移住を支援するテレビ番組もある。Ik Vertrek(私は出発します)というタイトルの長寿番組のロゴ
この状況下で、オランダでの将来に見込みなしと判断し、他の国への移住を決意する人もいます。新天地を求めて移民する年齢層は、過去には若年層の独身者が多かったそうですが、ここ2、3年の傾向では、30代から50代までと幅広く、子どもを伴って移住する人も出てきたそうです。オランダ中央統計局の数値統計(CBS)によれば、現在、毎日364人が海外へ移住していると見積もられています。

近隣諸国の廃屋を買い取り、すべて自前で修正して宿泊所を経営する人も
これらの移民は、いわゆる「頭脳流出」がほとんどで、たとえばICTのエキスパートであれば、アメリカ、オーストラリア、カナダなどを移住先に選び、また、多くの特殊技術者を必要とする中国やインドなどからの誘致を引き受ける場合もあるそうです。また、農業に従事する生活を選択する人や、オランダ人観光用のリゾート施設を移住地に作り、その運営に従事したりする人など、思い切った転身を図る人もいるそうです。彼らはなんと、二度とオランダの土を踏まない覚悟で出国した人も多く、「出戻り」はほとんどいないのも特徴かもしれません。
かつて、欧州諸国が不況にあえいでいた80年代以降、約30年にわたって安定した経済力を誇ってきたオランダは、「小さな大国」と呼ばれ、好景気の1990年代に至っては、ひと月に3万人もの移民・難民を無条件で受け入れてきたほど寛大でしたが、現在、自らが移民となる現状に直面しているといえるでしょう。
レポーター「フリードリヒス カオル」の最近の記事
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タグ:移住、インフレ、近隣諸国
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