オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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炒飯や焼きそばを具に入れたコロッケ

炒飯や焼きそばを具に入れたコロッケ

 オランダはかつて、インドネシアを統治していた時代があり(16世紀~20世紀初頭)、エキゾチックな料理も数多く本国にもたらされた歴史を持ちます。そのため、こうしたアジア・スタイルの料理は、オランダ人にとってなじみ深い味を提供しているといえます。


 中でも庶民的な味で人気があるのは「Bami Schijf (バミ・シュハイフ)」と「Nasi Schijf(ナシ・シュハイフ)」です。これは一種のコロッケで、前者は、焼きそば(インドネシアでは“バミ”と呼ばれる)をコロッケの中身に入れ、パン粉をつけて油で揚げたもので、後者はチャーハン(インドネシアでは、“ナシ”と呼ばれる)を中身に入れたものです。


 揚げたてのコロッケをアツアツのところで食べてもらうために考案されたのが、特別製の自動販売機兼保温器です。これはコロッケ一つ一つを、仕切りがついた各棚(英語で、Pigeon Hole)に入れ、30度ほどで保温する形式のもので、「Kroket uit Muur(クロケット・アウト・ミュア:壁からコロッケの意味」と呼ばれています。


 保温器の各仕切りの横には、小銭を入れるスリットがあり、そこに小銭を入れると保温器が開くので手でコロッケを取り出して食べます。この自動販売機兼保温器は、今から75年前にFEBOという食品会社が発案し、世に送り出したものですが、このFEBO社では時代の流れに遅れず、スマホを使って支払える方法も取り入れました。


こちらは、クリーミーなホワイトソース入りのコロッケ 

こちらは、クリーミーなホワイトソース入りのコロッケ 

 専用アプリをダウンロードし、説明に従って購入したいものをタップすれば、簡単に決済できます。また、自動販売機兼保温器は街角のみならず、デパートの駐車場内やガソリンスタンド、自動車洗浄場にも置かれているので、ちょっと一服する際にもクロケットが気軽に食べられ、大好評。FEBO社では将来的にドライブ・スルー形式や、コイン・ランドリーへの設置などを考慮に入れ、さらなる開発を進めているそうです。


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