ＳＮＳや電話で依頼を受け、家でのパーティーやオフィス、学校やイベント会場などどこへでも来てくれる「出張型アイスクリームスタンド」が、オランダで今年も盛況です。各店は様々な工夫で差別化を計り、新しい流行を生み出す努力を怠ってはいません。特に出張型アイスクリームは、かわいらしい外装のミニバンで各所を回り、大人にも子供にも大人気です。

　しかし、出張型アイスクリームの店舗が増えたこともあり、普通の固定型アイスクリーム店で提供されるようなありきたりな品ぞろえでは、他店のとの差別化ができなくなってきています。そんな中で、各出張型アイスクリーム店舗は工夫を凝らし、毎年変わるスイーツのトレンドをそのままアイスに取り入れるなど、進化し続けているともいえます。

　イチゴやチョコレートなど、ごく一般的なフレーバーのアイスクリームを極めようとしている店もあります。「変わったフレーバーのアイスに人は目移りするけれども、結局は普通のバニラアイス等の普通の味に、みんな戻ってくる」というのは熟練アイスクリーム職人たち。こういった信念に裏付けされた最高品質は常に人気を保っています。

　暖房器具の発達による真冬でも食べられるようになったアイスクリームですが、それでも書き入れ時は春から夏で、秋から冬にかけては需要がやはり落ちます。そこで考案されたのが、イベント性を高める、アイスクリームづくりのワーク・ショップ。つくる楽しさと自分たちがつくったものをああだこうだ品評しながら味わう楽しさを提供することで、オフシーズンの売り上げを伸ばしているということです。子どもの誕生会や、還暦祝いなどのお祝いごとなどにも利用されており、これなら一年中、アイスクリームを楽しめること請け合いです。

　こうした店の生き残りの決め手となるのは、固定客をたくさん呼ぶ工夫。つまり、リピーターをたくさん抱えるような店になれるかどうか、といったところでしょうか。今年のオランダは、長雨と酷暑が交互に来る不安定な気候が続いていますが、夏といえばもちろん、アイスクリーム。屋外コンサートや各種イベント、遊園地やプールなど、人びとが列をなして夏の風物詩を味わっています。

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