オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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 オランダは過去にユニセフ協会等の統計で、何回か「世界一子供にとって優しい国」に選ばれています。しかし、それは本当なのでしょうか?あまりにも漠然としすぎていて、何を以て「子供にやさしい国」というのか、私自身もよくわかりません。子どもにとって優しい国、というのなら、親との関係が他国と異なっており、もしかしたら画期的な育児法などが存在するのかも?とも思いますが、それもなさそうです。


両親が協力して子育てする考えかたは、1960年代あたりから普及しだした。

両親が協力して子育てする考えかたは、1960年代あたりから普及しだした。

 オランダの親は、幼児(3歳くらいまで)に対して、○○を覚えさせなければ、とか○○でなければならない、といった観念を持たず、誰にでも成長には差があるととらえているように感じます。その結果、「親なんだから、○○を教えてやらないといけない!」という気負いを感じることなく、リラックスして子育てがなされていると思われます。「赤ちゃんなんだから」「私の子供なんだから」「親はこうあるべきだから」という、一種の育児に関する呪縛のようなものを捨てて育児をしているといえばいいのでしょうか、こういった考えであれば、親としても気持ち的には楽といえそうです。


父親と母親が育児に参加する割合は、母親が60%で父親が40%くらい。

父親と母親が育児に参加する割合は、母親が60%で父親が40%くらい。

 親になった夫婦で過ごす時間についても、日本とは違うのだろうか?それが、ひいては育児に好影響を与えているのでは?と思う方もおられるでしょう。外国では、子供を預けて親がデートなどに出掛けるのは当たり前、と思われているようですが、それは各家庭によってさまざま。確かに20年ほど前までは、夫婦で過ごす時間を特別に設けて、無理やりにでも映画やデートに行く、といった習慣もありましたが、今はそれよりも個人的にジム通いをしたり、趣味の充実などに充てられるほうが多くなっている気がします。


 子どもは大切だが、夫婦の関係も同じ比重でとても重要だ、と考えているカップルも減っている気がします。子どもが生まれたからといって、夫婦で過ごす時間を犠牲にし、「子守」(!)だけで一生を終わるつもりはないと思う反面、パートナー同士で過ごす時間を努力してでも見つけることと自体、義務のように考えてしまう、という親が多くなってきています。


子供が幼少時は両親ともに育児参加度が高いが、それ以降は…

子供が幼少時は両親ともに育児参加度が高いが、それ以降は…

 20年前ほどまでは、子どもを預けて週に数回、親たちが外出するのが当たり前で、夫婦関係を重視することは、家族内を円満にすることだ、考えられてきました。しかし、夫婦だからと束縛しすぎて逆効果を生む嫌いもある上、このところのインフレで経済的に気軽にどこかへ行く、ということも難しくなってきています。幸せな子供たち、の肩書の由来は、育児手当など社会福祉の点で恩恵に預かっていることは否めないと思いますが、それ以外の点では…どうなのでしょうか。将来を担う子供たちを守る、という観点からいけば、日本もオランダもそれほどの差があるようには思えません。


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