オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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同僚と一緒にランチ

同僚と一緒にランチ

 オランダ人は一般に仕事好きな国民と言われています。「仕事好きの世界一が日本人ならば、俺たちオランダ人は世界2番目のワーカホリックだ!と言いながら自画自賛する人もいます。今日も1日、汗水流して働きました!というセリフが、いわば挨拶代わりになるほど。しかし、あくまでも仕事は、人生を楽しむための一つの手段、と言いきるオランダ人。仕事に翻弄されず、いわば趣味の一環で仕事を無理なく行うという感覚で従事しているともいえるかもしれません。


気軽に食べられるとはいえ、毎日同じパンを…

気軽に食べられるとはいえ、毎日同じパンを…

 仕事が第一、と念仏のように唱えながら働いているため、仕事を中断されたり、休息ばかり取るのはあまり好きではありません。彼らは、食事を取るのさえ忘れて仕事三昧に明け暮れることがしばしばあるほどです。たとえば、出社から退社まで商談だけを続けるのさえ至極当然と思っているようで、ながらランチも朝飯前。そのためオフィスには、四六時中、仕出し屋の出入りがあります。


 パンが主食のオランダなので、近所のパン工場が仕出屋代わりとなって、低価格で自家製サンドイッチを大量に調達するのが、ランチの定番風景でもあります。白い作業服に身を包んだパン焼き職人たちは、一日中ひっきりなしに、あわただしくオフィスへ出たり入ったりを繰り返します。


ソーセージを挟んだパンを食べながら配達

ソーセージを挟んだパンを食べながら配達

 パンが山積みとなった大皿が、休憩室の中央デスクの上にどんと置かれると、あちこちから社員たちがやってきて、いつの間にか空になっているという状態です。空になると、5分も経たぬ内に仕出屋が現れ、流れ作業のごとく、サンドイッチを山盛りにするという具合なのですが、これが、オランダのオフィスでの食事光景でした。(しかしここ2年ほどの間はインフレのおかげで食材費が高騰したため、この傾向も薄れてきています。各会社はランチを持参するよう社員に奨励しているそうです)


毎日、ほぼ同じパンだと飽きそうに思うのだが…

毎日、ほぼ同じパンだと飽きそうに思うのだが…

 ただ意外なことこれだけ毎日食しているにもかかわらず、パンに挟む具は実に味気ないのです。判を押したようにチーズとハムのローテーションときているので、よく飽きないなというのが感じです。会社で提供されるランチも、持参するそれも、オランダ人たちは文句一つ言わずに食べるのです。これはなぜでしょうか?実は、仕事を最優先するオランダ人たちにとって、正に腹が減っては戦はできぬ、なのです。したがって、パンなどに構っている暇などない、というのが本音のように思います。目先が絶対に変わらないパンを何食わぬ顔で食しつつ、資料や携帯を持ったまま、商談を続行させるのが、オランダのビジネスマンたちの”ながらランチ”風景といえるでしょう。


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