スーパーフードを食事に取り入れることが、健康体を維持すると考えられている欧州諸国。このスーパーフードとは、どの食品かを明確に示すものではなくビタミンやミネラルに代表される必須栄養素を多く含んだ食品を指します。例としては、クコの実、カカオ豆、麻の実、赤ブドウ、ニンニク、オリーブオイル、特定のナッツ類、海藻などがその代表として挙げられます。

　意識して毎回の食事に必ず取り入れている、という人も徐々に増えてきているようです。たとえば、ダーク・チョコレートの成分は、気分を適度に高揚させる効果があるとされ、冬の寒い時期に憂鬱な気分を緩和するために食べる、とか、不良長寿を願うなら老化にストップをかける物質を含むブルーベリーを気が向いたときに摂取する、といったような感じです。

　このスーパーフード、かつての民間療法と共通する部分があるのでは？と考える向きもあります。身近にある食品を見直し、その効果を最大限に活用すべく摂取する点が似ています。スーパーフードに関連するオンラインショップは雨後のたけのこ状態ですし、かつてなら自然食専門店と呼ばれていた店も、専門店として生まれ変わっています。こうした店には、エコな生活を実践しオーガニック製品を購入する人たちが足繁く通い、ちょっとした出会いの場のようにもなっています。

　最近では、大手食品会社や製菓会社からもスーパーフードの粉末が商品化され、水やジュースに入れて飲めばすばやく摂取することを謳い、若者を中心にヒット商品となっています。スーパーフードを意識的に食事に取り入れたお蔭で健康体を維持しているという大学生数人に話しを聞いてみましたが、レシピも簡単で料理のしがいがあり、その上健康になれる特典つきと評判は上々です。欧州、特に西欧で特にもてはやされているのが、ワカメなどの海草です。大学生が集まるバーなどには、おつまみとして日本式のワカメ・サラダが提供されることもあるほどです。

　しかし、健康になりたい一心で、身体に良いとされる食品のみを摂取しすぎる人もいるようです。それこそ毎日、ブルーベリーだけを食べて過ごしたり、海草だけを摂取して、他の栄養素をまったく摂らなかったりすれば、かえって不健康を招くことになるのは間違いありません。

　当然のことですが、過ぎたるは及ばざるがごとし、です。体に必要な必須栄養素をすべて単一の食品でまかなうことは不可能ですから、変化に富んだ食事をする事こそが最も重要。重要な栄養素を多く含むスーパーフードを摂取しつつ、バランスよく食材を選び、摂取するのが、健康維持にもっとも効果的といえるでしょう。

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