オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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モロッコの結婚式

2024.08.26 up

 モロッコは北アフリカにある国です。この国の宗教はイスラム教で、国民のほとんどが信仰しています。宗教が反映される行事、といえば結婚式があげられますが、モロッコの場合はどのような形式をもって人びとは式を祝うのでしょうか?


典型的なモロッコ挙式風景

典型的なモロッコ挙式風景

 たとえばキリスト教は、神の前で男女が結婚を誓い合う儀式を行いますが、イスラム教で結婚は個人間で行われる祭典、といった考え方をします。キリスト教は数時間をかけて教会で式を挙げますが、イスラム教は3日間ほどかけ、新郎新婦の家で盛大に祝います。名士や家族の多い人の結婚式になると、招待客100人を超すため、ホテルの庭を借りたり、近所の公園などを借りたりして行うこともあるそうです。


 この3日間の挙式で行われるのが、門出(実家からの門出を祝う)儀式、花婿が花嫁を向かえに行く儀式、結婚の契約をする儀式です。準備として花嫁はまず。美容サロンへ行き、エステで綺麗になったら、式のために衣装を選びます。最近はウエディングドレスを着用する人も多くなっているそうですが、モロッコ特有の伝統的な衣装があくまでもメインとして好まれます。衣装選びが終わったら、植物顔料の「ヘンナ」で伝統的な模様を手足に描いてもらいます。このヘンナとはモロッコが位置する北アフリカの乾燥した地によく育つ、ミソハギ科の常緑低木で、この葉を乾燥させ粉末状にし、水で溶いたものが、毛染めやマニキュアとして古代から使用されています。そして準備万端整ったら、挙式となります。花嫁は選んだ衣装に着替え、招待客を迎えての式典に参加するという成り行きです。


 式は、日本でいうならば宴会のように進められます。
たくさんの料理が大皿に盛られテーブルの上に置かれ、招待客が各自でそれを取り分けて食べます。たとえば、モロッコを代表する「クスクス」を使った特別料理が目白押しです。面白い名前のクスクスですが、簡単にいえばこれは粒状の「パスタ」で、原料はデュラム小麦粉を使用して製造されます。北アフリカが発祥の主食といわれており、ヨーロッパ諸国の食卓にもたびたび登場します。モロッコ現地では野菜、鶏肉などの煮込み料理を炊いたクスクスの上に乗せてたべるのが主流となっています。また、モロッコでお茶といえばミント・ティー。これは、沸騰したお湯に生のミントの葉を入れ、5分ほど煮出して作ります。香辛料をふんだんに使ったモロッコ料理にはこのすっきりとしたミントの爽快な味がよくマッチします。


挙式に出される、モロッコのクスクス料理

挙式に出される、モロッコのクスクス料理

 面白いのは、新郎新婦が乗った車や、招待客が乗った車が、盛大にクラクションを鳴らしながら、隣近所をぐるぐると回る習慣があるそうです。この習慣は、ヨーロッパへ移住したモロッコの人たちも行っており、街中でクラクションが派手に響くと、「ああ、結婚式だな!」と周囲もすぐにわかります。家族や知人、同僚に囲まれて過ごす盛大な御祝いは、人生最大のイベントなのですから、あくまでも楽しく、周囲にも承認されて当然といえるでしょう。


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