シンガポール

シンガポール:シンガポール

小林 亮子(こばやし りょうこ)

職業…ライター・企画PR
居住都市…シンガポール(都市国家であるため、都市=国、です)

前の月へ

2024.12

次の月へ
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31     

私事ですが、10月25日に第二子を出産しました。
予定が12月だったので、大分早い早産となりました。
第一子も同様だったので、ある程度覚悟していましたが、まさか本当に早まるとは…
まだ気持ちが動揺していますが、それでも、異国での初出産と育児に不安だらけだった3年前に比べ、今回は若干気持ちにゆとりがあるので、これを機会にシンガポールの出産事情を紹介してみたいと思います。


私が出産したKK Women\'s and Children\'s Hospital

私が出産したKK Women\'s and Children\'s Hospital

私が今回出産したのは、女性と子供専門の国立病院でした。
第一子の時は、個人クリニックで、検診からスキャン、バースプランの相談まで、すべて一人の産科医によって行われ、分娩は提携している私立病院でした。
シンガポールには、個人の産婦人科クリニックはたくさんありますが、分娩施設を備えているところはなく、私の場合のように、提携している私立病院で出産します。
もしくは、最初から、これら病院内の産科医にかかるという選択もあります。
今回は、定期健診は主治医によって行われていたものの、いかにも大病院らしく、随所での検査や手続きが完全分業化されていました。
事務手続きはアドミニストレーションオフィスで、バースプランの相談は担当の看護婦と、休日に体に変調をきたして時間外クリニックに出向いても、診てくれるのは当番医で、主治医が駆けつけてくれるわけではありません。


さて、陣痛をもよおしてしまい、病院に駆け込んだところ、即分娩室に運び込まれ、子宮収縮抑制剤を点滴され、なんとか出産を遅らせる処置を試みてもらいました。
点滴の針の痛さに苦しむ私の枕元に颯爽と現れたのは、入院手続き担当の事務係。入院ベッドのランクを選んで、一時金を払うようにと言ってきました。
上の子供の世話があるため、主人は付き添っておらず、私は管につながれたまま、財布を手にすることもできない状態でした。手続きと支払い作業が迅速で強引な点、実にシンガポールらしい、と感心してしまいました。


これがその料金設定表。低体重児だった娘はLevel2に該当。CとB1で3倍の違い、でもケア内容は全く同じです

これがその料金設定表。低体重児だった娘はLevel2に該当。CとB1で3倍の違い、でもケア内容は全く同じです

そのベッドのランクというのが、デラックスからCクラスまであり、デラックスはまさにゴージャスな一人部屋、Cは6人部屋でエアコンなし。
当然Cで、と思ったのですが、Cクラスだと出産に立ち会う産科医を指定できないというのです。
つまり、当直の医者であれば誰でもいい、ということになります。
私は、早産になる可能性を考え、シニアドクターであった自分の主治医に担当してもらいたく、医者を選べるランクの一番下、B1というのを選びました。
これは4人部屋のエアコンありで、一泊の値段はCクラスの約4倍です。
ちなみにこの値段設定は、シンガポール市民と、私のような永住権保持者とでは、また異なります。驚くほど、緻密な価格設定がなされていました。


そして、子供が低体重で誕生し、新生児集中治療室なり、スペシャルケアセンターなりに入る場合、その値段は、母親の選んだベッドのクラスに応じて変わるというのです。
「クラスに応じて、赤ちゃんの処置が変わってくるのですか?」と尋ねたところ、どのクラスであれ同様の処置がなされるけれど、値段設定だけ変わってくるのです」ということでした。
早産の心配もよそに、私は頭の中で至急そろばんをはじくことを、余儀なくされたのでした。


レポーター「小林 亮子」の最近の記事

「シンガポール」の他の記事

タグ:出産

  • 6124 ビュー
  • 4 コメント

4 - Comments

別紙あつ子より:

2009 年 11 月 13 日 18:39:40

小林さん
おめでとうございます!
赤ちゃんが家にいる生活は幸せですね。忙しい中、記事有難うございます。
大変な状態の時に、ベットの事を聞いてくるとは…国柄が想像できます。
大変面白く拝見いたしました。
私の誕生日も同じなので、ちょっと嬉しい気持ちになりました。
子育て、頑張ってください。     
            別紙

Setsuより:

2009 年 11 月 13 日 23:02:23

おめでとう!!
なんだか日本の出産事情はシンガポールにいろいろと学ばないと行けない様ですね。
メキシコはどうなんだ?将来、リポートできますように?

小林亮子より:

2009 年 11 月 16 日 14:47:01

別紙さん、Setsuさん、コメントありがとうございました。
別紙さん、同じお誕生日なのですね。嬉しいです。私は、フランスの出産・育児事情にもとても興味があります。働く女性をサポートする社会福祉が、とてもしっかりしていると読んだことがあり、時間制の託児所も数百円からあるとか。いい面だけを見聞きしているのかもしれませんが(笑)。
Setsuさん、確かに、「ベッド不足が深刻な状況」ではないですが、但しお金を払えれば、の条件付ではあります。日本のように出産一時金もありませんし・・・

Yamadaより:

2013 年 07 月 17 日 00:51:54

初めまして。山田と申します。
ただいま、シンガポールで妊娠生活を送っており、出産について
調べていたところ小林さんの記事を拝見しました。

早産とのことですが、費用はいくらくらいかかりましたでしょうか。
最近妊婦健診の際に、ドクターより未熟児の場合は、相当な金額が
かかるとのことでしたので不安になっております。
どうぞよろしくお願いいたします。

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website