フランダースの犬を有名にした日本人
2011.12.18 up
アントワープの聖母大聖堂 クリスマス
ランランラ~ン♪ の曲で始まる フランダースの犬、舞台はベルギーのアントワープ近くのホーボーケン村です。日本人なら誰もが知る名作で、ハリウッド映画にもなりましたよね。
ところが、ベルギーでは無名で、この作品を有名にしたのは日本人なんです。
ルーベンスの「キリストの昇架」
数年前にアントワープに旅行した時です。
ルーベンスの絵で有名なアントワープ聖母大聖堂(Onze-Lieve-Vrouwekathedraal)に行ってみました。
「ああ、この絵の前で、クリスマスイブにネロとパトラッシュは死んでいくんだわー」などと感傷にひたったあと、近くの観光局に立ち寄りました。そこには日本語版フランダースの犬のパンフレットもおいてありました。
ネロとパトラッシュもここでお祈りしていたのでしょうか
話によると、あまりにも多くの日本人観光客がやってきて、フランダースの犬のことを聞くので、観光局のスタッフが調査をしたのです。すると作者はイギリス人で、ベルギーでは全く知られていなかったのに、日本でのその絶大なる人気度よ!
そこで、さっそく、観光局や地元の自治体が観光資源として世に出したのです(と、書くとちょっと夢がないですね)かんじんの地元アントワープで有名になったのは、1985年のことだそうです。
トヨタの文字が見えます。大聖堂前の碑
大聖堂の近くのカフェで飲んでいたところ、現地のカップルと相席になりました。女性は根っからのアントワープっ子だそうですが、フランダースの犬のことは全く知らず、教会前の碑にも「まったく気づかなかったわ。初耳よー」とびっくりしていました。
ご主人に「ほら、映画にもなってたじゃない」と言われて、ようやく「あー…」という感じでした。
この話を聞いていた隣のテーブルの初老の男性、「おおー、その話ならまかせて」と会話に参加してきました。
なんと この人、ホーボーケン村の人だったのです。
「日本人のおかげで、おいらが町は、一躍国際的に有名だよ。銅像もたっているし、観光バスもやってきとるよ」と大変、好意的なお言葉をいただきました。
で、座は大変盛り上がり、このご機嫌な おじ様に、ベルギー人カップルともどもお勘定までしていただきました。フランダースの犬様様です。
アントワープ観光局で入手したパンフレット
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