インドネシア

インドネシア:ジャカルタ

岡坂泰寛(オカサカヤスヒロ)

職業…記者(邦字新聞「じゃかるた新聞」記者)

居住都市…ジャカルタ(インドネシア)

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 ある日、インドネシア人の友人がことわざを教えてくれました。「尋ねるのを恥じると、道に迷う」とは、識者の助言を聞くほうが良いという教えだという。その時、隣にいた別の友人が会話に入ってきて「尋ねるのが恥ずかしいなら、散歩すればいいさ」と口を挟んだ。のんびりした南国らしいフレーズに失笑してしまいました。

 「一漕ぎで、二つか三つの島を通り過ぎる」というインドネシアのことわざは、日本の「一石二鳥」と同じ意味ですが、その友人は「一漕ぎしたら、一休み」。そう、疲れたときには休めばいい。

 確かに人生には気楽に考えることが必要な時が往々にしてあるなと、妙な説得力に関心しました。体や頭を休めたときにいいアイデアが浮かぶこともしばしばですし…。事柄の本質をうまくとらえている点から見れば、迷言らしきジョークは時に名言にもなりそう。


家の前でのんびりするインドネシア人たち

家の前でのんびりするインドネシア人たち

 インドネシア人のおおらかさや前向きさは、付き合っていてとても心地良い。ついつい効率を重視しがちな日本人がインドネシアに来て感じる新鮮さの一つに、これら南国特有の雰囲気があります。長期間滞在すれば、すっかり体に染みついてしまう人もいる。

 友人との会話は続き、物事の因果関係を示す「砂糖があれば蟻がいる」ということわざは「砂糖があればコーヒーが美味しい」に。鋭い風刺や教訓などを含んだことわざとは違い、これらの珍句には川柳のような親近感があり、素顔のインドネシアの日常を垣間見ることができる。食欲をそそったのは「煙をたどればサテ(串焼き、インドネシア名物)がある」で、こちらは「煙をたどれば火がある」が原文だ。

 即興で文章をいじる自由な発想力は、天真爛漫なインドネシア人の人柄ならではだろうか。私はもう少し頭をやわらかくしなければと反省しました。





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