むごい人種差別で波紋が広がる EURO2012 その1
2012.06.12 up
英国代表元キャプテンのソルキャンベル;http://www.bbc.co.uk/programmes/p00tl1z1
ユーロカップ2012(UEFA欧州選手権2012) が始まりました。
これから約3週間、ヨーロッパ勢の熱い戦いが繰り広げられます。
番狂わせも多いので、何が起こるかドキドキ・・サッカー好きにはたまりません。ちなみにヨーロッパではサッカーといわずフットボールといいます。
オランダではサッカーといっても通じないかも・・・
さて今回のホスト国はウクライナとポーランドの両国ですが、開催前から何かと波乱含みの大会です。なかでも大きな問題となっているのが、人種差別(レイシズム)です。
10日ほど前に、サッカー観戦中のアジア人学生(インド系)がいきなり他の観客から襲われている様子がニュースになりました。理由は「肌の色」です。衆人環視のなかで殴られているのに、警備にあたっている警察は見てみぬふりをするむごさです。
反ユダヤ色も強く、「ヒットラー万歳」と雄たけびをあげるスタジアムの群集にBBCのレポーターも凍り付いていました。
(動画をごらんください)
BBCは30分の特番(パノラマ;Euro 2012: Stadiums of Hate)を組み、イギリス代表の元キャプテンだったソル・キャンベルに映像をみせてコメントを聞きました。彼自身、ジャマイカ移民の子供で容姿は黒人です。彼は、怒りとショックをかくしませんでした。
「身を守るためには、ウクライナ・ポーランドへ渡航せず、家でTV観戦をしたほうがよい」とサッカーファンに訴えました。選手の家族の中には、応援に行くことを断念した人たちもいます。
残念ながら一部サッカー観戦者たちの暴力・破壊行為は過激さを増してきており、ウクライナ・ポーランドに限らず、英国やオランダでも暴徒化するファンと警察の衝突が頻繁に報道されます。日本でもワールドカップが開催されたとき、「フーリガン」という言葉でお馴染みになったものです。
クレイジーがつくサッカーファンで、いつも大会追っかけをしているオランダ人の知人がいます。20年以上にわたって、観戦のために国外にまで出かけていきますが、今回は身の危険を感じるからとツアーキャンセルをしていました(その後、やっぱり行くことにしたようですが・・)。
白人のオランダ人でも危ないという情報が口コミなどではいってくるからです。メディアでも安全の保証はできないので、団体行動をとるように促しています。
観戦に行かれるかた、くれぐれも慎重に行動なさってください。
面白半分でファンが群れているローカルパブなどには近寄らないほうが身のためです。
次はフーリガン対策で武装する警官の様子をお伝えします。
<動画0>
レポーター「東畑 るり子」の最近の記事
「オランダ」の他の記事
- 2452 ビュー
- 0 コメント
0 - Comments
Add your comments