オランダ総選挙に彗星のごとく現れた労働党党首サムソン
2012.09.10 up
支持政党の新聞をカフェのテーブルに配布中
4月の投稿で書いた総選挙がせまってきました。
総選挙か? オランダ連立政権が分裂
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201242343118
投票日は今週水曜日です。
オランダは二院制(衆議院と参議院のようなもの)で、今回の選挙は第二院、日本で言うところの衆議院選挙にあたります。
議席数は150ですが、オランダでは過半数をとれる大政党がないため、いつも連立政権です。過去の例をみてみると、選挙で勝利した党が左派と組むか、右派と組むかで、その時代の政権の色合いが決まってきます。
現政権の首相はマークルッテ氏。
VVD(自由民主国民党)所属で、CDA (キリスト教民主同盟)と組み政権を擁立しました。また極右といわれるPVV ( 自由党 )からも閣外協力を受けてきました。
人口1600万人と日本から比べると小さな国ながら、オランダには多くの政党が存在します。連日、政党のリーダーたち、ジャーナリスト、コメンテーターたちがメディアや街頭で、激しい議論を戦わせています。
スリナム系と思われる男性、サムソンにぞっこん
オランダ社会は棲み分けがはっきりしていて、クリスチャン、金持ち層、労働者、リベラル派、環境派と自分の支持政党をもっている人が多数です。でも、今回の選挙戦ではどこに投票したらいいのかわからない人たちが3分の1近くにのぼったといわれます。
選挙戦終盤にきて目覚しい躍進をしているのが労働党(PvdA)の新党首サムソン(Diederik Samsom )です。
今年初め、超大物政治家のヨブコーヘン氏が引退することになり、あとを引き継ぐ形で彗星のごとく登場したのが彼です。よほど政治をチェックしている人は別として、ほとんど無名といってもよい彼でした。
まだ若く40台になったばかりです。
彼の経歴は浮動票層の心をくすぐるものであります。
大学時代は原子核物理を専攻(核の専門家で、エネルギー関連の知識も豊富)
若い時にはグリーンピースの活動家でもありました。
またお嬢さんは難病でハンディキャップをかかえているといわれます。
頭の回転が早く、弁もたつのでトークショウにでるたびに得点をかせいでいます。
赤い闘士、オランダの労働党党首サムソン
先日はサルコジ大統領をやぶってフランスの大統領になったフランソワ・オランドーと電話会議をして、彼から直々の激励ももらったようです。
現時点での予想ではVVDと対等なところまで追い上げてきています。誰が第1党になるかで、連立政権として組む相手がかわってくるので、大いに注目したいところです。
社会党の運動員、「うちの党首はおっとり優しすぎるんじゃ・・」
さきほど、ちょうどTVで「2000年から政権は5回もかわった」といっていました。日本と比べるとオランダ政権は安定している印象があったのですが、任期満了ですと4年間なので、けっこうな数です。
ここでも政治は混迷しているといえます。
土曜日の昼下がり、各政党のスタンドが選挙活動中
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タグ:選挙
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