カナダ

カナダ:バンクーバー

西川 桂子(にしかわ けいこ)

職業…翻訳者、ライター、記者
居住都市…バンクーバー(カナダ)

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ソチオリンピックのフィギュアスケート、男子シングルは羽生結弦選手が金メダルを獲得しました。男子シングルのフィギュアスケートで、日本人が金メダルを獲得するのは初めての快挙です。

羽生選手の最大のライバルの1人でもあったカナダのパトリック・チャン選手も、この種目でカナダ男子初の五輪での金メダルを狙っていました。世界選手権で3連覇していて、カナダ国内からの期待が大きい中での五輪でした。

SPでトップに立った羽生選手が、フリーでミスをして、金メダルに大きく近づいたかに見えたチャン選手が、やはりミスを連発したため、羽生選手が金メダルを手にした…。ここまでは皆さんご存知のとおりです。

ただ、順位が決定したときの、チャン選手のインタビュー内容はあまり報道されていないのではないのかなと思うので、記憶にあることを書いておきたいと思います。

カナダ国内の期待の大きさをよく分かっていたのでしょう。チャン選手はインタビュー中、2度もSorry、つまり、「すみません」と謝っていました。

そして私が驚いたのが、その「すみません」に対する、カナダ人の反応です。


canada.comの記事です

canada.comの記事です

「すみませんなんて、言うなよ。世界2位ってすごいことだぞ。おめでとう」
「チャン選手が謝らなければならないと思うことが哀しい」
「誇りに思っているよ」
「おめでとう。We love you」などなど、温かいメッセージが山のように届いていました。


首相までツィッターでチャン選手にメッセージ

首相までツィッターでチャン選手にメッセージ

ハーパー首相もツィッターで「おめでとう。カナダは君のことを誇りに思ってるよ」とメッセージを送っています。

チャン選手は、フリーの後のインタビューで、プレッシャーがすごくて、気が狂いそうなぐらいだった、なんてことも言っていたはず。五輪が始まったときの国民の期待度は、チャン選手に対するもののほうが大きかったのではないでしょうか。

10月のスケートカナダのときに、羽生選手のコーチのブライアン・オーサー氏が、五輪でのプレッシャー対策を伝授していたという記事も読みました。この記事を読んだときは、「オーサー、君、羽生クンのコーチでしょ。アドバイスしたら、ダメ!」と思いましたが、もしかしたら見ていて痛々しいほどだったのかもしれないし、オーサー氏自身、2度、五輪で銀メダルで終わっているので、自分のときの記憶が蘇ったのかもしれません。

このオーサー氏、「僕は悔しさから立ち直るのに、何年もかかった。チャン選手が同じように苦しまないといいのだけど」と話していました。

やはり日本人なので、チャン選手より羽生選手を応援していた私ですが、「あやまらなくていいよ」と声を掛けるカナダの人たちには感激しました。




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  • 1 コメント

1 - Comments

かなやより:

2014 年 02 月 20 日 11:55:06

記事を読んで、すがすがしい気持ちになりました。チャン選手をはじめ出場選手が、さまざまな期待と重圧の中で戦っていることを改めて思いました。

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