オランダ

オランダ:アムステルダム

フリードリヒス カオル

職業…フリーライター

居住都市…アムステルダム市(オランダ)

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オランダに、初めてやって来た頃のことです。何もわからず、周囲にいるオランダ人たちにいろいろ教えてもらいながら、日々を送り始めたとき、気がついたことがあります。それは、お礼を言うと、相手から怪訝な顔をされることでした。


このように現金をプレゼントすることは、特別な日(結婚式など)に限られる。

このように現金をプレゼントすることは、特別な日(結婚式など)に限られる。

何かをしてもらったときに、お礼を言うのは当たり前、と私は思っていましたし、心からの感謝を示すために、1,2回繰り返してお礼を言うことも当然、と思っていたのです。しかし、実情はまったく違ったのです。


オランダ語で『ありがとう』は、『Dank je wel(ダンク・ユー・ウエル)』といいますが、来たばかりの頃は言葉がわからず、ちょっとしたことでも、助けてもらうたび、私は2回ほど続けて、このお礼を口にするのがクセになっていました。すると、中には怪訝な顔をして、『お礼を2回も言われるのは、いい気持ちがしない』と言い出す人が現れたのです。それだけではありません。親切にしてもらったり、助けてもらったお礼にと、ちょっとした花などをあげると、受け取りを拒否されることもありました。


誕生日やクリスマスにプレゼントをもらうのは当たり前だが・・・。

誕生日やクリスマスにプレゼントをもらうのは当たり前だが・・・。

これは一体、どういうことなのか?私には、まるでわけがわかりませんでした。そこで思い切って、『なぜ、お礼を言ってはいけないのですか?オランダには、感謝を何度も口に出して述べたり、お礼の気持ちからプレゼントをしたりしてはいけない決まりでもあるのでしょうか?』と、オランダ人たちに聞いて回ったのです。すると、彼らはこう返してきたのです。『困っている人を助けるのは当たり前のこと。特別なことをしたわけでもないのに、何度もお礼を言われたり、プレゼントをもらったりすると、かえって嫌味に思える・・・』と・・・。


以来、私はできるだけお礼をいうことをやめ、感謝の気持ちからプレゼントをあげることもしなくなりました。ところが、そのほうが生活する上で楽なこともわかるようになりました。ちょっとした手助けは誰でも行なうのだから、それに対して感謝したり、プレゼント(心づけ)をする必要はない、ということなのでしょう。しかし、他の国でこれが当てはまるのかどうかは・・・疑問ですが・・・。


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1 - Comments

道下より:

2015 年 02 月 24 日 16:17:17

お国事情や文化の違いということでしょうね。「困っている人がいれば助けてあげるのが当たり前」。世界中にその文化があればもっと平和になると思うのは単純すぎますが、日本のように過度なお礼文化も考えものですね。

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