オランダ

オランダ:ハーレム

倉田 直子(くらた なおこ)

職業…ライター
居住都市…ハーレム(オランダ)

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 「スピードスケート王国」と異名を持つほどスピードスケート強豪国のオランダ。平昌オリンピックでも、男女共にメダルを数多く獲得しています。特に女子3000メートルで1位から3位までをオランダ選手が取り、表彰台を独占したのは皆さまも日本の報道でご覧になっているのではないでしょうか。

 オランダでのこの冬季オリンピック報道は、2016年のリオ五輪よりも断然熱を帯びています。とはいっても自国の選手の活躍を報道するだけでも十分報道することがあるので、他国の選手が活躍しても、テレビなどで流れるのはほんの一瞬だけ。

 そんな中、一人の日本人選手がオランダ・メディアの注目を集めました。


「Haarlems Dagblad」紙 2018年2月19日号より

「Haarlems Dagblad」紙 2018年2月19日号より

 それは、女子スピードスケートの小平奈緒さん。

 小平さんは、ソチ五輪後の2014年から2年間、オランダに留学経験があるのです。その際、オランダ語を実地で猛練習したらしく、少し話せるようになったそう。彼女がメダルを獲得した500メートルと1000メートルのレースの後にそれぞれオランダメディアがオランダ語でインタビューを行い、少しつっかえつつも見事にオランダ語で受け答えをしていました。

 そんな彼女の、オランダという国にコミットした姿は、オランダ人に好印象を与えた様子。数年滞在するくらいの外国人は「英語が通じるから」とオランダ語を習わないこともよくあること。そんな外国人に慣れてしまったオランダ人は、小平さんのオランダ語に対する真摯(しんし)な姿に感銘を受けたのです。

 実際、上の新聞記事の見出しは「彼女はすぐに適応した」と書かれています。小平選手が一生懸命にオランダ語の単語を覚え、周囲に溶け込もうとする姿勢が好意的に書かれていました。

 筆者が上の新聞を買う際、偶然知人と出くわしたので、「この選手を知っているか」と質問してみました。すると「ああ! オランダ語を少し話す日本人ね!」との回答。やはり小平選手の人気は高そうです。

 日本のテレビの解説で彼女のレース姿を「獣のよう」と表現したアナウンサーが批判されているようですが、実はオランダ人も彼女に対してもともとそのような印象を持っていたそう。オランダ時代のコーチが彼女につけたあだ名が「boze kat」(怒った猫)だというのです!  むしろ猫からどう猛な「獣」に進化できて小平選手ご本人は喜んでいるのではないでしょうか?

参照ページ:
Boze kat, Nao Kodaira leerde in Nederland bravoure tonen
https://www.trouw.nl/home/-boze-kat-nao-kodaira-leerde-in-nederland-bravoure-tonen~a1b7944e/





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