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アメリカ:シアトル

ハフマン・ワカバ

職業…兼業主婦(メーカー勤務)

居住都市…シアトル(アメリカワシントン州)

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闇夜に煌々と輝くグーグル社屋。アマゾンもあるサウス・レイクユニオン地域に建つ

闇夜に煌々と輝くグーグル社屋。アマゾンもあるサウス・レイクユニオン地域に建つ

 GOBankingRatesという金融関連のウェブサイトが2019年秋発表した、「年収10万ドル(約1080万円)でも生活費が赤字になる全米都市ランキング」は、驚きと共に少し納得も行く結果でした。それは、シアトルとその東側に位置する都市ベルビューが、10位と5位にランクインしていたからです。


 日本での1000万円、アメリカでの6 figures(6桁の数字)、つまり100,000ドルは、長らく高収入の代名詞あるいはサラリーマンの給料目標として掲げられていた数字だと思いますが、今のシアトルではそれでも足りない、というわけです。


 シアトルやその近郊にはアマゾンやマイクロソフト、グーグル、フェイスブックなどが社屋を構え、ITが主要産業です。業種的に高給取りの人が多いのと、シアトルよりも物価が高く暮らしにくかったカリフォルニアからの移住者の流入などにより、ここ数年、当地の家や物の値段が高めに引き上げられてしまった背景があります。

 例えば、十数年前、私が暮らしていた湖が見えるシアトル市内のアパートは2LDKで1,000ドル強(現在のレートで10万9000円程度)でしたが、今その予算では1ルームを借りられるかどうか、といった具合です。


シアトルのランドマーク、スペース・ニードル付近では、1億円以下の家を探すのは難しい

シアトルのランドマーク、スペース・ニードル付近では、1億円以下の家を探すのは難しい

 そのため、定職があってもホームレスという人もいると聞きます。車の中で寝泊まりしたり、テントを張って高架下で雨露をしのいだりしながら、昼間はコーヒーショップなどで働くという暮らし。定職があれば普通に暮らせるはず、といった考えは昔のことになってしまったようです。


 シアトルのあるワシントン州は2019年「アメリカでもっとも住みやすい州ランキング」で1位を取っています。またシアトルは住みやすい街ランキングの常連です。「ビジネス、雇用、投資に適しているだけでなく、自然美もあって革新的でクリエイティブな人々も集う場所」という州知事の言葉から、魅力的な場所であることは間違いないのですが、格差社会を身近に感じることが多くなった今、これからは万人とその魅力を分かち合うための努力が必要になりそうです。


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